
白石光隆は、東京藝術大学大学院を修了後に渡米し、ジュリアード音楽院などに学び、1992年に帰国。彼は、クラシック音楽にとどまらず、さまざまなジャンルの音楽に取り組んできた。その揺るぎない作品理解を礎に、多彩な音色と生気に満ちたリズム感によって鮮やかな音楽を作り上げ、聴く者を虜にする。国内外のアーティストからの信頼は厚く、近年では5台ピアノによるユニット「ピアノ・ツィクルス」でも注目を集めている。
白石は、藝大大学院を修了した年から定期的にソロリサイタルを開催しており、この9月で38回を数える。チャイコフスキーのバレエ音楽「眠りの森の美女」からの抜粋をはじめ、J.S.バッハ=ブゾーニ「トッカータとフーガ」BWV565やストラヴィンスキー「火の鳥」、バド・パウエルの「ハルシネーション」など、バロックからジャズに至るまで、繰り広げられるプログラムは音の絵画をイメージさせる。白石らしい生き生きとした音のスペクタクルを聴かせてくれるに違いない。
文:道下京子
(ぶらあぼ2025年8月号より)
白石光隆 ピアノリサイタル Vol.38
2025.9/10(水)19:00 東京文化会館(小)
問:プロアルテムジケ03-3943-6677
https://www.proarte.jp

