【CD】ブラームス:ピアノ四重奏曲 第2番&第3番/クリスチャン・ツィメルマン

 クリスチャン・ツィメルマンの新譜は室内楽で、ブラームスのピアノ四重奏曲第2番・3番。若手プレイヤーを抜擢し、ポーランドのノーヴァク(ヴァイオリン)とブドニク(ヴィオラ)、そして日本人のチェリスト岡本侑也との共演である。岡本は昨年1月、エベーヌ弦楽四重奏団の正式メンバーとなり、今最も期待される奏者。ブラームスが最初に手がけた第3番はただならぬ緊張感を漂わせ、緩徐楽章はふくよかで温かみのある音楽となり、ツィメルマンの深い包容力が感じられる。第2番はエレガントで、このアンサンブルの特性が非常に洗練された美にあると気付かせてくれる。
文:飯田有抄
(ぶらあぼ2025年5月号より)

【information】
CD『ブラームス:ピアノ四重奏曲 第2番&第3番/クリスチャン・ツィメルマン』

ブラームス:ピアノ四重奏曲第3番、同第2番

クリスチャン・ツィメルマン(ピアノ)
マリア・ノーヴァク(ヴァイオリン)
カタージナ・ブドニク(ヴィオラ)
岡本侑也(チェロ)

ユニバーサル ミュージック
UCCG-45120 ¥3300(税込)