【CD】J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタとパルティータ BWV1001-1003/フェデリコ・アゴスティーニ

 1980年代後半から90年代にかけてイ・ムジチ合奏団のコンサートマスターを務めたイタリアの名奏者(現在日本在住)による、初のバッハ無伴奏曲アルバム。本盤には全6曲中の前半3曲が収録されている。アゴスティーニのヴァイオリンは、とにかく艶やかで温かい。しかも全体に歌を感じさせる点がイタリア人ならでは。ゆえにここで展開されるのは、陽性で豊潤なバッハ演奏だ。また音楽が終始動的で駆動力抜群。中でもパルティータ第1番第2楽章のドゥーブル等の快速部分の鮮やかさには耳を奪われる。こうした個性的なバッハの無伴奏も聴いていて愉しい。
文:柴田克彦
(ぶらあぼ2025年5月号より)

【information】
CD『J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタとパルティータ BWV1001-1003/フェデリコ・アゴスティーニ』

J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番、同第2番、パルティータ第1番

フェデリコ・アゴスティーニ(ヴァイオリン)

マイスター・ミュージック
MM-4540 ¥3520(税込)