音楽家の渋谷慶一郎が新作オペラ 「THE END」を5月に東京・Bunkamuraオーチャードホールで上演することが決定した。
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撮影:新津保建秀 写真提供:山口情報芸術センター [YCAM]
「THE END」は、「死とはなにか。終わりとはなにか。オペラ“THE END”は死を描く
「THE END」は、音楽家/アーティストの渋谷慶一郎と、演出家/演劇作家の岡田利規のコラボレーション作品として発表する今までにない新しいオペラ。
このオペラは、従来の歌手やオーケストラは一切登場せず、代わりにボーカロイドによるアリアやレチタティーボ、キャラクターの映像が表現の中心となる。昨年12月、YCAM 山口情報芸術センターで世界初演された。
ステージには通常のオペラのとおり声も歌もストーリーもあるが人間はいない。これは反転した死のイメージであり、ステージにはそれらを操作する渋谷慶一郎が、唯一の人間として出演し、ピアノも含めた彼自身の部屋が再現される。 映像には巨大な初音ミクのキャラクターが登場し、プロジェクションマッピングなどの最新の技術によって、その死までのプロセスが変型、解体といったダイナミックな過程を経て描かれる。これは世界の終わりが見えた現在に、死とはなにか?終わりとはなにか? を解き明かすと同時に、キャラクターとその二次創作が普遍化した現代に、モーツァルトの「魔笛」は可能か?という試みでもある。
アリアを歌い上げて息絶えるのは、わたしたちの生ではない。終わりに向かってすでに緩慢に死んでいるわたしたちが、わたしたちの生のために、わたしたちの世の中のためにオペラをつくるとしたら、こんなオペラになる。そういう意味で「最新鋭」なオペラを作りたい。〜〜岡田利規(演出、台本)によるコンセプトノートから
初音ミクのためにデザインされた、ルイ・ヴィトンによるオリジナルコスチューム!
作品中でミクが着用している衣装は、ルイ・ヴィトンのアーティスティック・ディレクター、マーク・ジェイコブスと彼のスタジオチームが、2013年春夏コレクションを、初音ミクの体型や彼女が持つ独特の雰囲気に合わせてデザインしたオリジナル作品というのも大きな話題となっている。
■ヴィトン スケッチ (C)LOUIS VUITTON (C)Crypton Future Media, INC. www.piapro.net
【公演概要】
●日程:2013年5月23日(木)19 :00開演・24日(金)15:00/19:00開演※全3回公演
●会場:Bunkamuraオーチャードホール
●料金:プラチナ席(プログラム付き) ¥10,000 S席 ¥7,500 A席¥5,000 B席¥3,000
※未就学児童入場不可
●発売:2013年4月4日(木)AM10:00一斉発売(予定)
Bunkamuraチケットセンター 03-3477-9999(10:00〜17:30)
Bunkamuraオンラインチケット/CNプレイガイド/チケットぴあ/ローソンチケット/イープラス
Bunkamura 03-3477-3244(10:00〜19:00) http://www.bunkamura.co.jp/
■渋谷 慶一郎
音楽家
1973年生まれ。東京芸術大学作曲科卒業。2002年に音楽レーベルATAKを設立、国内外の先鋭的な電子音響作品をCDリリース。代表作に「ATAK000+」、「ATAK010 filmachine phonics」など。2009年、初のピアノソロ・アルバム『ATAK015 for maria』をリリース。2010年には『アワーミュージック 相対性理論+渋谷慶一郎』を発表。以後、TBSドラマ『Spec』、映画「死なない子供 荒川修作」、2012年公開の「セイジ 陸の魚」「はじまりの記憶 杉本博司」など映画、テレビの音楽を立て続けに担当。また、国内外でマルチチャンネルによるサウンドインスタレーションを発表、コンサートも行うなど多彩な活動を展開している。http://atak.jp
■岡田 利規
演劇作家/小説家
1973年生まれ。1997年に「チェルフィッチュ」を結成し、横浜を拠点に活動。2005年「三月の5日間」で第49回岸田戯曲賞を受賞。2007年デビュー小説集「わたしたちに許された特別な時間の終わり」を発表、翌年第2回大江健三郎賞受賞。2005年「クーラー」で振付家として「TOYOTA CHOREOGRAPHY AWARD 2005」最終選考会に出場。従来の演劇やダンスの概念を覆す作品により、日本のみならず、海外でも高い注目を集める。カンパニー作品は、森美術館主催「六本木クロッシング展」、あいちトリエンナーレ2010に参加するなど、演劇のみならず多方面へ活動を展開している。2012年4月、「現在地」を発表。http://chelfitsch.net