瓜生幸子(ピアノ)

円熟の深い味わいを聴く

Photo:Hugo Jeble
Photo:Hugo Jeble
 国際的に活躍する日本人ピアニストのパイオニアであり、80歳を越えてなお、第一線を走り続ける瓜生幸子。今年でヨーロッパ・デビューから50年という節目を迎え、記念のリサイタルを開く。ウィーンで名匠クラウディオ・アラウの薫陶を受け、1966年のシーズンから、ヨーロッパ各地で演奏活動を継続。86年のウィーン・コンツェルトハウスでのリサイタルには、オーストリア大統領が臨席した。77年からウィーン国際ベートーヴェンコンクールの審査オブザーバー、89年から10年以上にわたって昭和音大教授を務めるなど、後進の育成にも力を注ぐ。
 記念リサイタルは、ドビュッシーの「ピアノのために」より〈プレリュード〉で幕開け。モーツァルトの「ロンド ニ長調」、シューベルトの「4つの即興曲」op.90から第3曲・第4曲、シューマンの「3つのロマンス」op.28から第2曲と「アラベスク ハ長調」が続く。そして、リストの「大演奏会用独奏曲」を締め括りに。半世紀の歩みを凝縮したラインナップとなっている。
文:笹田和人
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年5月号から)

5/16(土)14:00 紀尾井ホール
問:ミリオンコンサート協会03-3501-5638 
http://www.millionconcert.co.jp