ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の来日記者会見が11月22日に行われ、同管弦楽団首席指揮者および芸術監督のサイモン・ラトル、主席チェロ奏者およびベルリン・フィル・メデイア取締役のオラフ・マニンガー 、主席ホルン奏者のシュテファン・ドール が出席した。ベルリン・フィルは11月22日〜24日にサントリーホールで3公演を行う。
●ラトルの会見冒頭挨拶
「3年ぶりの日本です。今年は大変に厳しいことが日本で起こりました。でも、私たちは家族であり、いつも日本の皆さんと一緒です。共通の言語である音楽でつながっているのです」
●11/23にリリースされるブルーレイ3Dソフト、および順次全国劇場公開されている3D映像について
「3D撮影のアイディアは関係者の努力のおかげで、非常にスピーディーに実現されました。汗のしずくなども映し出す映像の鮮明さには正直びっくりしました。この映像は”オーケストラを聴く”という体験に新たな意味をもつものだと思います。団員一人ひとりが非常に身近にに感じられるでしょう。この映像はまさにライヴそのもので整形手術(編集)もしていません。このようなライヴをソフトとしてリリースでき、うれしいです」
●マーラーについて
「今年は記念イヤーでしたので、様々な作品とマーラーを組み合わせ、マーラーの違った側面をみせることができました。たとえば交響曲第9番とラッヘンマンのカップリングなどは、パワフルな経験でした。ベルリン・フィルがマーラーをとりあげ始めたのは比較的浅く、カラヤン時代からでした。そしてアバドにより素晴らしいマーラーを体験したオーケストラは”新たな旅”へと旅立ったといえるでしょう」
●今後のレコーディングについて
「ブルックナー交響曲第9番の4楽章版を録音します。ブルックナーの第9番は、シューベルトの『未完成』と同じようなものを感じます。ブルックナーは全ての交響曲の設計図を遺していて、そこにはフレーズの長さまでが記されていました。最終楽章は85%は完成していたのです。それに、発見された数々のスケッチを繋ぎ合わせるにはたった一つの方法でしかできないと判明したのです。再構築された第4楽章はブルックナー音楽の最高傑作といっても過言ではないほどの美しさです。この第9番は後期のマーラー作品以上の冒険的な調性を持っています。全てのステンドグラスが完璧な位置におさまっていないとしても、このブルックナーが創った新たな大聖堂の全容を見ることができるのです。これは本当に素晴らしいことだと思います」
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