チョン・ミョンフン(指揮) 東京フィルハーモニー交響楽団

メシアンの精神を体現するマエストロで聴く“愛”の交響曲

左より:チョン・ミョンフン ©Takafumi Ueno/原田 節 ©Yutaka Hamano/務川慧悟 ©M.Yamashiro

 ついにその日がやってくる。チョン・ミョンフンが東京フィルを指揮してメシアンの「トゥランガリーラ交響曲」を演奏するのだ。このコンビが同曲を取り上げるのは17年ぶり。記念すべき第1000回定期演奏会を迎える6月公演での披露となる。

 「トゥランガリーラ交響曲」といえば、とにかく規格外の交響曲だ。まずは、その編成。チェレスタなどの鍵盤楽器のほか、打楽器奏者8名を含む大オーケストラ。そこに、ピアノと電子楽器のオンド・マルトノが独奏として加わり、舞台はぎっしりと奏者で埋め尽くされる。全10楽章からなる構成で、全編にわたってメシアンならではの色彩がちりばめられ、スペクタクル、ドラマティックさにも事欠かない。まさに20世紀を代表するシンフォニーだ。

 チョン・ミョンフンは、かつてパリ・オペラ座バスティーユ管弦楽団とこの曲をレコーディングしている。そこに立ち合った作曲家は、その演奏をもとに楽譜に加筆修正を行ったという。いわば、メシアンお墨付きの演奏でもあるのだ。

 この時代の作品にしては魅力的な旋律も少なくない。我らがマエストロは、色彩とリズムが押し寄せるなかに情感や歌心をも通わせるメシアンを聴かせてくれよう。日本が誇るオンド・マルトノの名手である原田節の安定感。ピアノは、シャープな感性が輝く務川慧悟だ。頼もしい共演陣も得て、圧倒的な音楽体験を実現させてくれること間違いない。
文:鈴木淳史
(ぶらあぼ2024年5月号より)

第1000回 オーチャード定期演奏会 
2024.6/23(日)15:00 Bunkamura オーチャードホール
第1001回 サントリー定期シリーズ 
6/24(月)19:00 サントリーホール
第162回 東京オペラシティ定期シリーズ
6/26(水)19:00 東京オペラシティ コンサートホール
問:東京フィルチケットサービス03-5353-9522 

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