22歳の逸材が魅せるバッハとフレンチバロックの愉悦
ポーランドに生まれ、ワルシャワでピアノとチェンバロを学び、21歳の若さでブルージュ国際古楽コンクール2023の優勝者となったマチェイ・スクシェチュコフスキ。厳しいコンクールとして知られ、これまでの勝者にはトン・コープマン、スコット・ロス、クリストフ・ルセ、ジャン・ロンドーなどが綺羅星のごとく並んでいる。今年の審査委員長はルセだった。
優勝後のインタビューで、スクシェチュコフスキは、「ずっと憧れて聴いていた人たちと同じ賞をもらえたことが嬉しい」と言っていた。大変だったのは、「課題曲の多さ、短時間で全部の楽器の細かい特徴を試し、どの曲でも最高の演奏をしなければならなかったこと」だという。
今回、長い歴史をもつコンクールで初の試みがおこなわれる。それは、優勝を祝したツアーが日本の7ヵ所で開催されることである。プログラムは「オール・J.S.バッハ」、「フランス・バロックのクラヴサン音楽」、そして2つのミックスという幅広いレパートリー。福島ではバッハの頃のドイツにあった16フィートの低い音を備えたジャーマンタイプ、横浜や大阪では多彩な音色の出るフレンチタイプなど、各地で5種類の楽器を弾き分ける予定だ。
スクシェチュコフスキの細長い指は、急速な楽句を紡ぐばかりでなく、低音で滑らかに音をつないでいく。日本の観客は、世界に先駆けて彼の優れた演奏と音楽表現を楽しむことができるのである。
文：関根敏子
（ぶらあぼ2024年3月号より）
3/31（日）14：00 いわきアリオス（小）（0246-22-5800）
4/2（火）18：30 大阪/住友生命いずみホール（06-6944-1188）
4/3（水）14：00 横浜/フィリアホール（045-982-9999）
4/5（金）19：00 浜離宮朝日ホール（03-3267-9990）
4/6（土）14：00 所沢市民文化センター ミューズ キューブホール（完売）
4/7（日）14：00 秋田/アトリオン音楽ホール（018-836-7803）
4/10（水）19：00 東広島芸術文化ホール くらら（小）（082-426-5990）
https://officeyamane.net
※ツアーの詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。
concert-search.ebravo.jp