【CD】星々に〜フランスの交響詩集/ニコライ・シェプス=ズナイダー&リヨン国立管

 交響詩というジャンルはフランクとリストの間の親密な交流から生まれ、リストによって命名された。が、その後交響詩は時に同一の作曲家においても年代により大きな変貌を遂げる。本盤は19世紀後半から20世紀初頭にかけてフランスで成立した、広い意味での交響詩を体系的に収めた貴重なアルバムである。多くがマイナーな作曲家による作品群はフランスの交響詩の歴史と多様性を示している一方で、そこからはサン=サーンスやショーソンなど多くの「ワグネリアン作曲家」を輩出した同時代のフランスを反映して越境的、さらには異国趣味的な音響世界が聴こえてくるところも大変興味深い。
文:大津 聡
(ぶらあぼ2023年12月号より)

【information】
CD『星々に〜フランスの交響詩集/ニコライ・シェプス=ズナイダー&リヨン国立管』

フランク:呪われた狩人/ブーランジェ:春の朝に/ダンディ:イシュタル/デュカス:魔法使いの弟子/オルメス:夜と愛/ボニス:クレオパトラの夢/デュパルク:星々に /ショーソン:湖の乙女ヴィヴィアン/ソイ:神秘的なダンス/シャブリエ:スペイン/サン=サーンス:死の舞踏 他

ニコライ・シェプス=ズナイダー(指揮)
リヨン国立管弦楽団

Bru Zane/ナクソス・ジャパン
NYCX-10434(2枚組) ¥4950(税込)