スペインのセビリャで研鑽を積んだ若き大器ギタリストの新譜。フラメンコはもちろん、フォルクローレ・ミュージシャンの両親の下に生まれ育ってラテン音楽にも親しんでおり、ボリビアで世界的なチャランゴ奏者との共演を実現するなど幅広いレパートリーに定評のある逸材。今回はテデスコに始まり、アルベニス、グラナドス、ロドリーゴからヨークまで、クラシック系のギター名曲を集めた1枚。タイトルの「RECUERDO=回想」が意味するように、収録曲の大半はかつての愛奏曲たちで、27歳の今あらためて対峙することで生まれる充実感が大きな聴きどころになっている。
文:東端哲也
(ぶらあぼ2023年12月号より)
【information】
CD『RECUERDO VOL.I/菅沼聖隆』
カステルヌオーヴォ=テデスコ:ソナタ―ボッケリーニ讃歌―、タランテラ/アルベニス:マジョルカ op.202/グラナドス:「スペイン舞曲集」より〈悲しき舞曲〉/ロドリーゴ:祈りと踊り―マヌエル・デ・ファリャを称えて―/ヨーク:序奏とサンバースト 他
菅沼聖隆(ギター)
コジマ録音
ALCD-7296 ¥3300(税込)