平日昼間のアプリコ・クラシックシリーズ
本と音楽の素敵な出逢い Vol.1 『マチネの終わりに』

ギターの調べと作家とのトークで紡がれる名作小説の世界

 読書から与えられるインスピレーション。それは作曲家を含め、音楽に関わるすべての人が体験として持つものだろう。一方で、音楽からインスピレーションを得て文章に向かう作家も多い。芥川賞作家である平野啓一郎もそのひとり。彼の小説『マチネの終わりに』はクラシック・ギターのソリストとして活躍する男性と、パリの通信社に所属する女性ジャーナリストとの恋愛を描いた作品で、映画化もされた。

 その『マチネの終わりに』をテーマに「本と音楽の素敵な出逢い」と題されたコンサートが開催される。小説に登場するギタリストのモデルの一人でもある大萩康司と平野が対話しつつ、作中に現れる様々なクラシック・ギターの名曲を披露する。またストーリー中重要な役割を持つ小品「幸福の硬貨」は、映画化に際して作曲家の菅野祐悟が書き下ろした作品で、ライブで聴くチャンスは限られている。浦久俊彦のナビゲートによって広がる「本と音楽」の新しい出逢いを楽しみたい。
文:片桐卓也
(ぶらあぼ2023年7月号より)

2023.7/5(水)13:00 大田区民ホール・アプリコ
問:大田区民ホール・アプリコ03-5744-1600 
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