3月28日、ミューザ川崎シンフォニーホールでフェスタサマーミューザKAWASAKI 2023のラインナップ記者発表会が行われ、福田紀彦川崎市長、秋山和慶(指揮者、ミューザ川崎シンフォニーホール チーフ・ホールアドバイザー)、松居直美(オルガニスト、同ホールアドバイザー)、廣岡克隆(東京交響楽団 楽団長)、西濱秀樹(日本オーケストラ連盟 専務理事)の5名が登壇。イスラエルから小川典子(ピアニスト、同ホールアドバイザー)、新ホールアドバイザーに就任する宮本貴奈(ジャズ・ピアニスト/作・編曲家)がオンラインで参加した。
オーケストラが主役の音楽祭として知られるフェスタサマーミューザ。19回目を迎える今年は7月22日から8月11日までの21日間、ミューザ川崎シンフォニーホール、昭和音楽大学テアトロ・ジーリオ・ショウワを舞台に開催される。川崎市フランチャイズオーケストラの東京交響楽団をはじめとする首都圏の9団体、そして初登場となる山形交響楽団、日本センチュリー交響楽団を加えた11のプロオーケストラが日替わりで競演する。
開催へ向けて、福田市長は以下のようにコメント。
「2005年から始まったサマーミューザも日本を代表する夏のクラシック音楽祭のひとつとして定着してきた。サマーミューザをはじめとした、音楽を生かした川崎ならではの街づくりを進めていきたい。熱く特別な21日間になると思う」
今年の合言葉は「お待ちどうサマー♪」。コロナ禍を経てステージと客席が再び感動を分かち合う喜び、感染対策で控えられていたお祭り感が帰ってくることへの期待が込められているという。
公演ラインナップには、各オーケストラのシェフ級の指揮者が名を連ねた。
オープニングはジョナサン・ノット&東響によるチャイコフスキーの交響曲第3番と第4番(7/22)。意外にもこのコンビがチャイコフスキーに取り組むのは初めてだという。都響と共に登場する大野和士は8年ぶりのサマーミューザ。シベリウスの交響曲第2番、ニールセンの序曲「フェロー諸島への幻想旅行」などの北欧プログラムを披露(7/28)。読響を指揮する常任指揮者のセバスティアン・ヴァイグレは初登場。得意とするワーグナーのオペラ作品で重厚なサウンドを楽しみたい(8/1)。日本フィルの次期首席指揮者への就任が決まっているカーチュン・ウォンは、近年取り組むことの多い邦人作品から菅野祐悟のサックス協奏曲(独奏:須川展也)などを指揮(8/9)。神奈川フィルを指揮する音楽監督の沼尻竜典はサマーミューザ15年ぶりの登場。R.シュトラウス「英雄の生涯」などを披露する(8/10)。
また、ソリストでは、2021年のショパン国際ピアノコンクール第3位のマルティン・ガルシア・ガルシアがキンボー・イシイ&N響とラフマニノフの協奏曲第2番を(7/29)、サマーミューザ初登場の辻井伸行は沼尻&神奈川フィルとショスタコーヴィチのピアノ協奏曲第2番(8/10)、メディアにも引っ張りだこの清塚信也はフィナーレコンサートで原田慶太楼&東響とラヴェルのピアノ協奏曲 ト長調を共演する(8/11)など、豪華ピアニストたちが登場する。
首都圏以外のオーケストラからは山形交響楽団(7/30)と日本センチュリー交響楽団(8/8)が初登場。日本センチュリー響を指揮するミュージックアドバイザーの秋山はシューベルトの交響曲第5番などを取り上げる。
「本当に真夏に吹いたそよ風のような軽さ、涼しさを感じさせる素敵な曲で、僕もシューベルトの中で一番好きな作品です」
一方、山響は首席客演指揮者の鈴木秀美が率いる。同楽団の専務理事・事務局長の西濱は意気込みを次のように語った。
「山響は2022年度定期演奏会のチケットが全公演完売、23年度の会員数は前年度と比較して10%以上増加した。一時は不要不急と叫ばれた芸術文化だが、実際は多くの人に求められている。そのひとつのシンボルとしてこのフェスタサマーミューザに貢献したいと思っている」
他にも、ミューザ川崎シンフォニーホールジャズ部門の新ホールアドバイザーに就任した宮本貴奈が豪華メンバーとおくる就任披露公演「サマーナイト・ジャズ」(7/23)、世界的ピアニスト小川典子がライフワークとする子どもたちのためのコンサート「イッツ・ア・ピアノワールド」(8/5)、オルガン&チェンバロ、双方のスペシャリストである大塚直哉がバッハ作品を紹介する「真夏のバッハVIII」(8/5)などのお馴染みの企画も準備されている。
今年のサマーミューザは、これまで行っていたコンサートの配信はいったんお休み。ホールで生の演奏を楽しんでもらうことに集中するという。
コロナ禍の終息が見え、原点回帰するフェスタサマーミューザKAWASAKI。一期一会の演奏に、耳を傾けたい。
フェスタサマーミューザKAWASAKI 2023
東京交響楽団 オープニングコンサート
2023.7/22(土)15:00
指揮:ジョナサン・ノット(東京交響楽団 音楽監督)
サマーナイト・ジャズ
7/23(日)17:00
ピアノ&ヴォーカル:宮本貴奈
ベース:パット・グリン
ドラムス:デニス・フレーゼ
[ゲスト]
ヴォーカル:八神純子、佐藤竹善
トランペット:エリック・ミヤシロ
サクソフォン&フルート:本田雅人
トロンボーン:中川英二郎
他
洗足学園音楽大学
7/25(火)18:30
指揮:秋山和慶(洗足学園音楽大学 芸術監督・特別教授)
バレエ:洗足学園音楽大学バレエコース、谷桃子バレエ団、東京シティ・バレエ団、牧阿佐美バレヱ団
管弦楽:洗足学園ニューフィルハーモニック管弦楽団
東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
7/26(水)15:00
指揮:高関健(東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団 常任指揮者)
ピアノ:横山幸雄
東京都交響楽団
7/28(金)19:00
指揮:大野和士(東京都交響楽団 音楽監督)
ピアノ:久末航
NHK交響楽団
7/29(土)16:00
指揮 :キンボー・イシイ
ピアノ:マルティン・ガルシア・ガルシア
出張サマーミューザ@しんゆり!
神奈川フィルハーモニー管弦楽団
7/29(土)17:00
指揮:熊倉優
チェロ:横坂源
ピアノ:古海行子
山形交響楽団
7/30(日)15:00
指揮:鈴木秀美(山形交響楽団 首席客演指揮者)
ヴァイオリン:石上真由子
読売日本交響楽団
8/1(火)19:00
指揮:セバスティアン・ヴァイグレ(読売日本交響楽団 常任指揮者)
東京フィルハーモニー交響楽団
8/2(水)15:00
指揮:出口大地
ピアノ:清水和音
こどもフェスタ 2023
イッツ・ア・ピアノワールド
8/5(土)11:00
ピアノ:小川典子
出張サマーミューザ@しんゆり!
東京交響楽団
8/5(土)17:00
指揮:広上淳一
真夏のバッハVIII
8/5(土)17:00
パイプオルガン/チェンバロ:大塚直哉
ヴァイオリン:桐山建志、大西律子
ヴィオラ:吉田篤
チェロ:西沢央子
コントラバス:栗田涼子
新日本フィルハーモニー交響楽団
8/6(日)16:00
指揮:井上道義
昭和音楽大学
8/7(月)18:30
指揮:時任康文
管弦楽:昭和音楽大学管弦楽団、テアトロ・ジーリオ・ショウワ・オーケストラ
日本センチュリー交響楽団
8/8(火)19:00
指揮:秋山和慶(日本センチュリー交響楽団 ミュージックアドバイザー)
ヴァイオリン:HIMARI
日本フィルハーモニー交響楽団
8/9(水)15:00
指揮:カーチュン・ウォン(日本フィルハーモニー交響楽団 次期首席指揮者)
サクソフォン:須川展也
神奈川フィルハーモニー管弦楽団
8/10(木)19:00
指揮:沼尻竜典(神奈川フィルハーモニー管弦楽団 音楽監督)
ピアノ:辻井伸行
東京交響楽団 フィナーレコンサート
8/11(金・祝)15:00
指揮:原田慶太楼(東京交響楽団 正指揮者)
ピアノ:清塚信也
フェスタサマーミューザKAWASAKI 2023
https://www.kawasaki-sym-hall.jp/festa/