節目の年に“原点回帰”として取り組む「弦楽四重奏の父」の傑作
若きクァルテットに学びと演奏の場を提供してきた「プロジェクトQ」が、今年第20章を迎える。今回はハイドンの「エルデーディ四重奏曲」op.76全6曲という、節目にふさわしい重要な名作集が選ばれた。3月11日の本公演は、6団体による6曲を一日で体験できる楽しみな機会となる。
演奏は番号順。第1部は、2021年結成、東京藝術大学3年生によるクァルテット・インフィニートで傑作第75番から。第76番「五度」は東京音楽大学付属高校在学中に結成されたクァルテット・ルーチェ。人気作の第77番「皇帝」は21年結成、桐朋学園大学で磯村和英に学んだクァルテット・プリマヴェーラ。
第2部は、唯一前回も出演したアーテム・クァルテット(マスタークラスでは大きな表現の変化がみられた)が第78番「日の出」。名曲第79番「ラルゴ」は相愛大学の学生が昨年結成したシュトラウス・クァルテット。最後の第80番は昨年フリー奏者によって結成されたクァルテット・スビト。6組の清新なハイドンを味わいたい。
文:林昌英
(ぶらあぼ2023年3月号より)
2023.3/11(土)(1)14:00 (2)19:00 TCMホール(東京音楽大学 中目黒・代官山キャンパス)
問:プロジェクトQ実行委員会(テレビマンユニオン内)03-6418-8617
https://www.tvumd.com