『ぶらあぼ』誌面でご好評いただいている海外公演情報を「ぶらあぼONLINE」でもご紹介します。海外にはなかなか出かけられない日々が続きますが、“妄想トラベル”を楽しみましょう!
[以下、ぶらあぼ2023年2月号海外公演情報ページ掲載の情報です]
曽雌裕一 編
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5月になると多数の音楽祭企画が登場するが、掲載できなかったものには、
「ハレ・ヘンデル音楽祭」(https://haendelhaus.de/hfs/startseite)、「ルール・ピアノ・フェスティバル」(https://www.klavierfestival.de/)、「ヴィースバーデン国際五月音楽祭」(https://www.staatstheater-wiesbaden.de/internationale-maifestspiele/)、「グラインドボーン・オペラ・フェスティバル」(https://www.glyndebourne.com/)などがある。HPをご参照のほど。
その音楽祭企画。まず注目は、ライプツィヒの「マーラー・フェスティバル2023」。コロナのために開催が遅れていたが、今年は実現できそうだ。意外なことにライプツィヒ・ゲヴァントハウス管がメインになるのではなく、ソヒエフ=ミュンヘン・フィル、チョン・ミョンフン=コンセルトヘボウ管、ハーディング=バイエルン放送響、ティーレマン=シュターツカペレ・ドレスデン、ビシュコフ=チェコ・フィル等々の名手たちが次々に登場してマーラーの全交響曲の演奏を繰り広げる。ネルソンス=ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管は交響曲第8番「千人の交響曲」を担当するが、同じ「千人」でも、歌手の豪華さだけを競うなら、ミラノ・スカラ座でシャイーがスカラ座管を振って演奏する「千人」の陣容が凄まじい。レベカ、ストヤノヴァ、フォークトらを揃えて、さながらガラ・コンサートのような雰囲気。なお、参考情報ながら、今年の11月にベルリン・フィルと来日する予定のキリル・ペトレンコ。彼は来日前の10月に古巣のバイエルン州立歌劇場のオーケストラに客演してマーラー「千人」を振る。これは大注目。是非とも現地で聴いてみたい公演だ。
「ザルツブルク聖霊降臨祭音楽祭」は例によってバルトリが大活躍。グルックとハイドンのオペラで盛り上がる。他にバレンボイムとアルゲリッチのピアノが加わって、シューベルトの作品を取り上げる演奏会も大注目。「ハンブルク国際音楽祭」という比較的新しい音楽祭の内容がまた秀逸。サロネン=NDRエルプフィル、ガーディナー=コンセルトヘボウ管、ヘンゲルブロック=バルタザール・ノイマン・アンサンブル、フルシャ=ウィーン・フィル、カウフマンやポリーニのリサイタル、など通常公演の延長ながら、魅力的な公演が連日続いていく。「ドレスデン音楽祭」も同様。ソヒエフ、サヴァール、ティーレマン、五嶋みどりらが公演を彩っている。「シュヴェツィンゲン音楽祭」、「プラハの春国際音楽祭」も、掲載した公演はほぼ◎印付の注目公演という嬉しい状況。ただ、恒例の「フィレンツェ五月音楽祭」が詳細未発表なのは残念だ。
通常公演での注目オペラを列挙すると、ウィーン国立歌劇場のプーランク「カルメル派修道女の対話」、ショスタコーヴィチ「ムツェンスク郡のマクベス夫人」、アン・デア・ウィーン劇場のベルク「ルル」、ベルリン・コーミッシェ・オーパーのヘンデル3本(「セメレ」、「イェフタ」、「サウル」)、ハンブルク州立歌劇場のシャリーノ「ヴィーナスとアドニス」、ドレスデン・ゼンパーオーパーのモンテヴェルディ「オルフェオ」、エッセン歌劇場のモーツァルト「フィガロの結婚」、バイエルン州立歌劇場の細川俊夫「班女」、チューリヒ歌劇場のベンジャミン「愛と暴力の教え」、モネ劇場のサン=サーンス「ヘンリー8世」などの公演がまず目に付く。もちろんこの他にも多数あるので、本文の◎印をご参考に。なお、テアトロ・レアルのロッシーニ「イタリアのトルコ人」は新国立劇場との共同制作となっている。
オーケストラ関係では、上記の音楽祭に注目公演が詰まっているが、その他では、マケラ指揮のライプツィヒ・ゲヴァントハウス管、パリ管とチェコ・フィル、ロト指揮のロンドン響とケルン・ギュルツェニヒ管、大野和士指揮のパリ管とブリュッセル・フィル、藤田真央(ピアノ)の出演するスカラ・フィルやフランス国立放送フィルに要注目。随所に登場するピアノのソコロフはもちろん別格大注目。
(曽雌裕一・そしひろかず)
(コメントできなかった注目公演も多いので本文の◎印をご参照下さい)