ヴィエニャフスキ国際ヴァイオリンコンクールで前田妃奈が優勝

 10月7日から21日にかけて、ポーランド西部のポズナンで開催された第16回ヴィエニャフスキ国際ヴァイオリンコンクールで、前田妃奈が優勝した。

前田妃奈(中央) (c)International Henryk Wieniawski Violin Competition

第1位 前田妃奈(日本)
第2位 Meruert Karmenova(カザフスタン)
第3位 Qingzhu Weng(中国)

 1935年の第1回開催以来、5年に一度開催されているこのコンクールは、ヴィエニャフスキの生誕100年を記念して創設。16回目となる今回は2021年からの延期を経ての実施となり、34名が参加。審査委員長は、関西フィルハーモニー管弦楽団音楽監督として日本でもおなじみのオーギュスタン・デュメイが務めた。
 現地時間20日に行われたファイナルには6名が進出し、前田はウカシュ・ボロヴィチ指揮、ポズナン・フィルハーモニー管弦楽団との共演で、ヴィエニャフスキのヴァイオリン協奏曲第2番、ブラームスのヴァイオリン協奏曲を演奏。これまで日本人では前回2016年の岡本誠司(第2位)、前々回2011年の小林美樹(第2位)らが入賞しており、前田の優勝は第8回の漆原啓子以来41年ぶりの快挙となった。

 前田は2002年、大阪府出身。東京音楽大学付属高校を経て現在、東京音楽大学2年に特別特待奨学生として在学中。これまでに関西フィル、大阪フィル、東響、日本フィル、新日本フィルと共演。2019年、第88回日本音楽コンクール第2位に続き、2020年の第18回東京音楽コンクール弦楽部門では優勝を果たした。これまでに井上敦子、前田悦代、小栗まち絵、原田幸一郎、神尾真由子らに師事。

(c)International Henryk Wieniawski Violin Competition

 前田は、現地時間10月21日(ポズナン)、23日(ワルシャワ)のガラコンサートに出演するほか(21日は配信予定)、副賞としてヨーロッパをはじめ世界各国でのオーケストラとの共演やリサイタル等のツアーも予定されている。

10月21日 ガラコンサート配信視聴サイト

International Henryk Wieniawski Violin Competition in Poznań
https://konkurs.wieniawski.pl