上海から現れた新しき才能
偉大な巨匠の名を冠した「ガスパール・カサド国際チェロ・コンクール」は、1969年からイタリア・フィレンツェで10回にわたって開催、ミッシャ・マイスキーら世界に羽ばたく逸材を輩出したが、諸事情で中断の憂き目に。しかし、崇高な巨匠の遺志を受け継ぎ、2006年に東京・八王子で“復活”を果たし、昨年11月に第3回大会が開催された。その栄えある覇者となったのが、中国・上海出身の俊英ホー・シーハオ。9歳でチェロを始め、その翌年には上海音楽院付属ミドルスクールに入学し、アントニオ・ヤニグロ・チェロコンクールなど数々の登竜門を制し、現在はアメリカで研鑽を積んでいる。カサド・コンクール第1位入賞記念のリサイタルは、ピアノの鳥羽亜矢子がパートナー。フランクのソナタ(ヴァイオリン作品からの編曲)、一柳慧「コズミック・ハーモニー」、ストラヴィンスキー「イタリア組曲」に、ファリャ「スペイン民謡組曲」からの4曲とカサドの小品「愛の言葉」を添えて、巨匠へのオマージュとする。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2014年6月号から)
★7月4日(金)・京都/青山音楽記念館バロックザール
問:Otonowa 075-252-8255
6日(日)・八王子市芸術文化会館いちょうホール
問:042-621-3005
8日(火)・よみうり大手町ホール
問:コンサートイマジン03-3235-3777
9日(水)・名古屋/宗次ホール
問:052-265-1718