フレッシュ名曲コンサート「北欧への誘い」

バッティストーニの熱く起伏に富んだグリーグ&シベリウス

 新宿文化センターと東京フィルハーモニー交響楽団による毎年1月の公演は、同楽団首席指揮者アンドレア・バッティストーニの指揮によるイベントとして定着。第6回目となる2022年1月は「北欧への誘い」と題して、フレッシュなソリストたちとともに、北欧の人気作曲家グリーグとシベリウスの名作による公演を開催する。

 プログラムは4曲。まず、シベリウスの胸躍る名品、「カレリア」組曲で開始。続いてはグリーグの代表作、ピアノ協奏曲と「ペール・ギュント」第1・第2組曲。合わせものとストーリーものを得意とするバッティストーニだけに、前者ではあふれるパッションとリリシズム、後者では劇の情景が浮かんでくるような描写力と感情表現と、いずれも特別な名演を実現してくれそうだ。最後はシベリウスの代表作、交響詩「フィンランディア」。バッティストーニによる北欧ものはどちらかというと稀少演目だったが、本作だけは以前から取り上げて凄まじい演奏を聴かせており、この日も感動的な“剛演”になること間違いない。

 グリーグ2作のソリストも注目。協奏曲のピアノは、20年東京音楽コンクールで最高位(第2位)を受賞した大崎由貴。熱きマエストロとともに、美しくも情熱的なグリーグを聴かせて、その実力を存分に知らしめてくれるだろう。「ペール・ギュント」の〈ソルヴェイグの歌〉に登場するのは宮地江奈。18年に二期会《後宮からの逃走》の難役ブロンデを務めるなど期待のソプラノで、その清澄な歌唱も楽しみ。
文:林昌英
(ぶらあぼ2022年1月号より)

*出演を予定していた指揮のアンドレア・バッティストーニは、新型コロナウイルス・オミクロン株に対する水際措置の強化に係る入国制限により、来日が不可能となりましたため、代わって角田鋼亮が出演いたします。(1/17主催者発表)

2022.1/30(日)15:00 新宿文化センター
問:新宿文化センター03-3350-1141 
https://www.regasu-shinjuku.or.jp/bunka-center/