ベフゾド・アブドゥライモフ(ピアノ)

超絶技巧と歌心を併せ持つ逸材

(C)Ben Ealovega/Decca
(C)Ben Ealovega/Decca

 今、飛ぶ鳥を落とす勢いの躍進を遂げるウズベキスタン生まれの23歳、ベフゾド・アブドゥライモフが、彩の国さいたま芸術劇場《ピアノ・エトワール・シリーズ》に登場する。
 18歳でロンドン国際ピアノ・コンクールに優勝。直後にジャン・フィリップ・コラールの代役としてデュトワ指揮ロイヤル・フィルと共演し成功を収めたことが、世界から注目を集める契機となった。その後DECCAとの専属契約、相次ぐ名指揮者&オーケストラとのコンサートツアーと、活躍目覚ましい。繊細かつ大胆な表現力で聴く者を魅了するピアニストだ。
 プログラムはそんな彼の美点が活かされる、サン=サーンス(リスト/ホロヴィッツ編)「死の舞踏」、ラヴェル「夜のガスパール」といった技巧的作品に加え、滲み出る歌心が発揮されるショパン「幻想曲」やシューベルト「即興曲D899第3番・第2番」など。これまでにもオーケストラとの共演では来日していたが、リサイタルのステージはこれが日本で最初となる。注目度はかなり高い。
文:高坂はる香
(ぶらあぼ2014年5月号から)

ピアノ・エトワール・シリーズ Vol.24
★6月8日(日)・彩の国さいたま芸術劇場
問:彩の国さいたま芸術劇場0570-064-939
http://saf.or.jp/arthall