世界が注目する新演出! 鬼才オリエが描く現代版《カルメン》
2019年の《トゥーランドット》で巨大なセットと衝撃的なラストが話題になったアレックス・オリエが、7月に新国立劇場に再登場し、自国スペインを舞台にした《カルメン》を新演出する。
ビゼーの名作オペラ《カルメン》。オリエはストーリーを現代に移し、カルメンをショー・ビジネスの中にいる歌手だと設定した。「カルメンは、力、喜び、勇気、反骨心、自由の象徴です」「カルメンの物語は、時代を超え、これまで200年の歴史の間に女性が勝ち取ってきた権利の象徴ともいえます」。
《トゥーランドット》では現代を反映したジェンダー観で物語の結末を見直したオリエ。今回もその視点は共通しているようだ。そして、カルメン像を作り出すインスピレーションとなったのが英国出身のヴォーカリストで、やはり若くして悲劇的な死をむかえたエイミー・ワインハウスだという。あの一声聴けば鳥肌が立つようなワインハウスの魂の歌が、カルメンの姿に重なるとは何とも刺激的なアプローチだ。
新国立劇場の公演は《トゥーランドット》でもコンビを組んだ芸術監督の大野和士がタクトをとる。フランスから参加予定の二名を含む豪華キャストだ。そして、この《カルメン》の舞台はびわ湖ホールでも上演され、指揮は同ホール芸術監督の沼尻竜典でキャストには日本の一流歌手が揃う。オーケストラはいずれも東京フィル。新国立劇場合唱団とびわ湖ホール声楽アンサンブルが合同出演するのも楽しみである。
文:井内美香
(ぶらあぼ2021年7月号より)
*まん延防止等重点措置による東京都のイベント開催制限を踏まえて、オペラ『カルメン』の夜公演の開演時間が以下の通り変更となりました。(6/19主催者発表)
7/6(火)18:30開演→17:30開演
詳細は下記ウェブサイトでご確認ください。
2021.7/3(土)14:00、7/6(火)18:30、7/8(木)14:00、7/11(日)14:00、7/17(土)14:00、7/19(月)14:00 新国立劇場 オペラパレス
問:新国立劇場ボックスオフィス03-5352-9999
https://www.nntt.jac.go.jp/opera/
他公演
2021.7/31(土)、8/1(日) びわ湖ホール(077-523-7136)