英雄的でノーブルな黄金の声と豊かな表現力で日本の重要なオペラ公演に欠かせない存在であるテノールの最盛期の歌唱を、本人とも縁の深い日本屈指のオペラ劇場・びわ湖ホールを舞台に相性抜群の京都市交響楽団との共演で録音。クラウドファンディングで資金を募り、コロナ禍でライブ感満載のセッションを実現させた奇跡の一枚。表題の《マイスタージンガー》の栄光を目指す若き騎士や《リゴレット》の公爵、《ばらの騎士》の歌手など朗々たる美声から、《オテロ》やヴェリズモ作品のドラマティックな重い声まで、11人の「熱血漢たち」を痛快に歌い分けていて実に見事。
文:東端哲也
(ぶらあぼ2021年7月号より)
【information】
CD『朝は薔薇色に輝き/福井敬』
プッチーニ:《トゥーランドット》より/レオンカヴァッロ:《道化師》より/ヴェルディ:《リゴレット》より、《オテロ》より/R.シュトラウス:《ばらの騎士》より/ワーグナー:《ニュルンベルクのマイスタージンガー》より 他
福井敬(テノール)
市川敏雅(バス)
現田茂夫(指揮) 京都市交響楽団
びわ湖ホール声楽アンサンブル
ディスク クラシカ ジャパン
DCJA-21047 ¥3300(税込)