“明日の巨匠”を見つけよう
160年に及ぶ長い歴史の中、巨匠ピアニストたちに愛される名器を生み出してきたスタインウェイ社。同社は創立以来、様々な形で演奏家の支援にも力を注いで来た。そのひとつが、16歳以下の子供たちを対象に世界各地で開催するスタインウェイ・コンクールだ。
同コンクールは1936年、ドイツのハンブルクでスタート、続いてベルギーやフランス、スペインなど欧州7ヵ国でも開催。過去の優勝者にはクリストフ・エッシェンバッハ(1952年)、小菅優(95年)ら、今や第一線で活躍するピアニストも多い。最近はアジア諸国でも開催。日本では2011年に第1回コンクールが開かれた。そして今年、2回目となる同コンクールの本選が3月に東京で開かれる。
本選での大賞受賞者は、ハンブルクへ招待され、同社の製造工場を見学できるほか、2000席の大ホールでのガラコンサート出演の権利も与えられる。同社は「演奏テクニックの優劣を競うものではなく、幼い頃から人前で演奏する“楽しさ”を経験してもらい、私たちのピアノに慣れ親しんでもらう機会を提供するのが目的」としている。
今回の本選には、昨年10月から11月にかけ、国内8ヵ所で開かれた地区審査会で、年齢別の4つのカテゴリーごとに選ばれた「最優秀賞」を受賞した計32人が出場。ピアニストの神谷郁代と田部京子、音楽評論家の寺西基之が審査して大賞を決める。また、客席からも年齢カテゴリーごとに投票を行い、聴衆賞を選出。何より、一生懸命にピアノに向かう子供たちの真剣な姿は、大きな感動を呼ぶはず。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2014年3月号から)
★3月30日(日)・王子ホール Lコード:36844
問:スタインウェイ・ジャパン03-5251-6553
http://www.steinway.co.jp