チェコ・ボヘミアのカルリーチェク家の3兄弟、ペトル(ピアノ)、ヨゼフ(チェロ)、マルティン(ピアノ)は、ともにプラハ音楽院などに学んだ後、それぞれオランダ、ドイツ、カナダで研鑽を積み、ソリストとして国際的に活動している。そんな彼らは2年前、トリオとして再結集。当盤は、昨年7月に長野・松本で行った来日公演の実況録音。故国が誇るスメタナに仏露独の佳品を配し、ソロから4手連弾、組み合わせを変えてのデュオまで、編成も自在に。兄弟ならではの阿吽の呼吸を見せる一方、理知的なペトル、熱っぽいヨゼフ、大胆なマルティンと、一人ひとりの個性も際立つ。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2020年8月号より)
【information】
CD『カルリーチェク・セクエンツァ ライヴ・イン・松本Ⅱ』
スメタナ:「夢」より〈ボヘミア農民の祭り〉/ドビュッシー:チェロとピアノのソナタ/ラフマニノフ:4手のための6つの小品/フォーレ:悲歌(エレジー)/R.シュトラウス:チェロ・ソナタ、「情緒ある風景」より〈さびしい泉のほとり〉/ポッパー:メヌエット
カルリーチェク・セクエンツァ
【ヨゼフ・カルリーチェク(チェロ) ペトル・カルリーチェク マルティン・カルリーチェク(以上ピアノ)】
収録:2019年7月、ザ・ハーモニーホール(ライヴ)
ナミ・レコード
WWCC-7925 ¥2500+税