新機軸も登場、誰もが気軽にクラシック音楽を楽しめるコンサートが実現
様々な事情によりオーケストラコンサートになかなか行けない、という人たちに薦めたいコンサートが、東京文化会館の「リラックス・パフォーマンス」である。ナビゲーター付きのステージで、公演時間約60分(休憩無し)の初心者プログラムが用意され、通常の公演とは異なり、完全な静寂でなくても鑑賞を楽しめるという環境を設定。公演チラシの「クラシック音楽のコンサートが初めての方も、発達障害や自閉症などでホールでの音楽鑑賞に不安がある方も、あらゆる人が一緒に音楽を楽しめる工夫がいっぱい」という言葉通り、客席の照明を完全に暗くしない、上演中に客席外に出ることができる、ご家族・介助者のためのガイドを公演約3週間前にホームページに公開するなど、様々な配慮がなされているので、4歳以上のお子様から高齢者まで、安心して参加できる。さらに、聴覚に障害のある人のために、体感音響システム「ボディソニック」(約20席)や、抱っこスピーカー「ハグミー」(約40席)による、振動で音楽を感じられる鑑賞サポート席も設けられている。ナビゲートを務めるのは東京文化会館ワークショップ・リーダーの磯野恵美と野口綾子。
演奏面ももちろん万全。三ツ橋敬子の指揮による東京フィルハーモニー交響楽団に、テノールの村上敏明と、第一線の出演者がそろった。プロコフィエフのバレエ『ロミオとジュリエット』抜粋や、日本民謡の旋律あふれる外山雄三「管弦楽のためのラプソディー」など、オーケストラの楽しさが詰まった曲に、プッチーニ《トゥーランドット》の名アリア〈誰も寝てはならぬ〉など、盛りだくさんの名曲が並ぶ。
文:林 昌英
(ぶらあぼ2020年7月号より)
2020.7/24(金・祝)14:00 東京文化会館
問:東京文化会館チケットサービス03-5685-0650
https://www.t-bunka.jp