昭和初期からの長い歴史に幕を下ろす伝統のステージ
若き音楽家たちが一堂に会し、日頃の研鑽の成果を披露する新人演奏会(読売新聞社主催)が90年の歴史に幕を下ろす。1930(昭和5)年のスタート当時は、音楽学校を卒業した若手が演奏できる場はほとんどなく、貴重な機会だった。第二次世界大戦による中断はあったものの、徐々に参加校を増やし、今では全国の大学から参加する大演奏会に成長した。伝統の舞台からは、作曲家の故・團伊玖磨、ヴァイオリンの大谷康子、ソプラノの森麻季、テノールの山本耕平、ピアノの金子三勇士など、多くの著名音楽家が羽ばたいている。
最後のステージとなる今年は、全国35の大学・短期大学で音楽を専攻し、トップクラスの成績を修め学内選抜された約100人の新人演奏家が登場する。5月4日の昼夜、5日の昼、計3公演には、それぞれ約30人ずつが出演する。どの回もピアノ、声楽、弦楽器、管楽器などさまざまな演奏が楽しめるよう構成されている。若き俊英たちの溌溂とした演奏に耳を傾けたい。
文:長谷川京介
(ぶらあぼ2020年5月号より)
*新型コロナウィルス感染症の感染拡大を考慮し、本公演は開催見送りとなりました。
詳細は下記ウェブサイトでご確認ください。
2020.5/4(月・祝) 昼の部 11:00 夜の部 17:00
5/5(火・祝)11:00 東京文化会館
問:読売新聞東京本社事業開発部03-3216-8500
https://info.yomiuri.co.jp/event/music/