軽井沢大賀ホール 2020春の音楽祭

アニヴァーサリーイヤーならではの感動体験を!


 ゴールデンウィークの軽井沢を彩る、軽井沢大賀ホール「春の音楽祭」が今年も4月29日から5月6日まで開催される。今回は、開館15周年、そしてベートーヴェン生誕250年にもあたり、2つのアニヴァーサリーを寿ぐ、例年にも増して華やかなプログラムが組まれている。

 オープニングは広上淳一&東京フィルハーモニー交響楽団によるベートーヴェンの交響曲第9番「合唱付」。新国立劇場合唱団に、鈴木玲奈、高野百合絵、吉田浩之、甲斐栄次郎ら独唱者が加わる強力な声楽陣が、響きの良い軽井沢大賀ホールで、歓喜の歌を高らかに歌い上げ、近年、円熟味を増している広上が祝祭にふさわしい壮大な「第九」を披露するに違いない。そして、エルガーの行進曲「威風堂々」第1番の演奏も音楽祭の開幕に華を添える(4/29)。

 三ツ橋敬子&オーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)もベートーヴェンイヤーにふさわしく、オール・ベートーヴェン・プロを聴かせる。バレエ音楽「プロメテウスの創造物」序曲、ヴァイオリン協奏曲、「騎士のためのバレエ音楽」、交響曲第8番という凝った選曲。「騎士のためのバレエ音楽」は滅多に演奏されないベートーヴェン最初期の管弦楽作品。ベートーヴェンの交響曲のなかでもアンサンブルの難しい曲として知られている第8番では、ますます活躍の場を広げている三ツ橋の指揮のもと、OEKがいかに緻密な演奏を聴かせてくれるのか注目される。約800席の軽井沢大賀ホールは、室内オーケストラに最適なサイズで、OEKの登場が楽しみだ。ヴァイオリン協奏曲では、国際的に活躍する川久保賜紀が独奏を務める(5/2)。

 諏訪内晶子のヴァイオリン・リサイタルも大いに注目される。彼女もやはりベートーヴェン作品をプログラムに入れ、ヴァイオリン・ソナタ第3番を演奏する。そのほか、〈シャコンヌ〉を含むバッハの「無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番」、現代エストニアを代表する作曲家ペルトの「フラトレス」、プロコフィエフのヴァイオリン・ソナタ第2番という、バロックから現代に至る、諏訪内らしい多彩な選曲。ピアノ共演は、2016年の仙台国際音楽コンクール第3位入賞など、これからの飛躍が期待される北端祥人(5/3)。

 そのほか、東京音楽コンクール入賞者たちを中心とした軽井沢チェンバーオーケストラ(依田真宣、瀧村依里ら、在京オーケストラの首席奏者たちも参加)(5/4)や、ウィーン少年合唱団(5/5)、中村あゆみ&相川七瀬のコンサートも催される(5/6)。
文:山田治生
(ぶらあぼ2020年4月号より)

*新型コロナウィルス感染症の感染拡大の観点から、本音楽祭は中止となりました。
詳細は下記ウェブサイトでご確認ください。

2020.4/29(水・祝)〜5/6(水・休) 軽井沢大賀ホール
問:軽井沢大賀ホールチケットサービス0267-31-5555 
http://www.ohgahall.or.jp/2020spring/