被災地に想いを寄せるアーティストたちが今年も集結
各地に深刻な爪痕を残した東日本大震災からまもなく9年になるが、今なお仮設住宅などで不自由な生活を強いられている人がいることを忘れてはならない。被災地に支店を持つ白寿生科学研究所も「東北復興支援プロジェクト・被災地支援チーム」を組織して、今日まで継続的な支援を続けてきた。今年も3月11日に、福島県相馬市「学校法人みどり幼稚園」を支援する公演(チケット収益、会場設置の募金箱へ寄せられた募金を全額寄付)を、同社が運営するHakuju Hallで有志の演奏家たちの協力を得て開催することが決まっている。
出演者は同ホールにゆかりのある、それぞれの分野のスター演奏家ばかり。曲ごとに趣向を凝らした組み合わせで、ゴージャスなアンサンブルを形成して魅惑のプログラムを展開する。ギターの大萩康司とヴィオラの川本嘉子のデュオによる武満徹「海へ」や、小林美恵のヴァイオリンと長谷川陽子のチェロによるコダーイの二重奏曲なども聴きどころだが、メゾソプラノの林美智子が小林のヴァイオリンと三舩優子のピアノをバックに歌う、シューベルトとマスカーニの〈アヴェ・マリア〉も深い感動を呼びそうだ。また、近年テレビ番組やCM音楽の作曲家としての活躍もめざましい平野公崇が率いる「ブルーオーロラ サクソフォン・カルテット」が今年も登場。出演者全員によるビゼー《カルメン》(編曲:平野公崇)も、どのような構成になっているのかも含めて非常に楽しみだ。
文:東端哲也
(ぶらあぼ2020年2月号より)
2020.3/11(水)15:00 Hakuju Hall
問:Hakuju Hallチケットセンター03-5478-8700
https://www.hakujuhall.jp