京都の香りとウィーンの文化が出会うとき
過去・現在・未来を、五感で感じる文化の祭典「時の響」の核となるコンサートは、時の流れを奏でる「音楽」と、文学や歴史を最先端技術で記録する「文化遺産アーカイブ」とのコラボレーション。今年は日墺国交150周年、さらに京都の文化財世界遺産認定から25年を迎えたことにちなむ、興味深いプログラムが楽しめる。
ステージは2部構成。第1部は、「ウィーン」をテーマに、人気ユニット「くるり」でヴォーカルを務める岸田繁が選曲。女優の栗山千明の案内で、広上淳一指揮の京都市交響楽団が、ワルツやオペレッタの名曲、岸田が作曲した管弦楽曲「心の中のウィーン」などが披露され、やはりウィーンで生まれたくるりの名曲「ジュビリー」を岸田が歌う。
第2部は、京都の文化財世界遺産認定25年を記念。まずは、音楽の内声を担うヴィオラの役まわりを和食の“だし文化”に喩えたともいえる、酒井健治のヴィオラ協奏曲「ヒストリア」(独奏:小峰航一)を。さらに、現代の感覚にも通じる『徒然草』を和装の栗山が朗読。そこで「京のわらべうた」を素材に岸田が作・編曲した変奏曲が世界初演され、朗読とオーケストラの新たな邂逅が実現する。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2019年9月号より)
2019.10/20(日)13:00 京都コンサートホール
問:キョードーインフォメーション0570-200-888
https://kyo-asobi.kyoto/tokinohibiki2019/