名手6人が集結する驚異のピアノ・アンサンブル
5台のピアノがステージに並ぶ壮観ぶり、そして圧巻のパフォーマンスで会場を沸かせた「仲道郁代 ピアノ・フェスティヴァル」が今年も開催される。ソロのみならず、ピアノ同士の技巧的なアンサンブルもたっぷり聴けるこのコンサートは、昨年、ピアノの持つ多彩な魅力を知ってもらいたいと願う仲道郁代が企画したもの。仲道を含め、今をときめく豪華なピアニストたちが、今年も華やかなステージを披露する。今回登場するのは、横山幸雄、菊池洋子、實川風、松田華音、藤田真央という、名実ともに現代のピアニスト界の「顔」とも言えるピアニストたちで、ジェネレーションのバランスもよく、眩しいほどのメンバーが揃う。
2部構成のコンサートは、前半は2台ピアノ。モーツァルトの「2台のピアノのためのソナタ」は、3つの楽章を2名ずつの組み合わせで披露し、6名で演奏する。ドビュッシーの「月の光」やサン=サーンスの「白鳥」などの名曲が、2台バージョンでどんな響きになるのかも楽しみだ。後半は5台ピアノ。モーツァルトの「トルコ行進曲」やホルストの「ジュピター」など、こちらもおなじみの作品が5台のピアノ・アンサンブルで、新鮮な響きとなって届けられることだろう。横山が5台ピアノのために書いた「カルメンの誘惑と幻想」にも注目したい。ピアニストたちの個性が炸裂し、ともに作り上げる響きの境地をぜひ体感してほしい。
また、開演前(15:15)から6人の出演ピアニストによるクロストークも開催されるので、早めに会場に行ってみてはいかがだろうか。
文:飯田有抄
(ぶらあぼ2019年7月号より)
2019.7/14(日)16:00 東京芸術劇場 コンサートホール
問:ジャパン・アーツぴあ0570-00-1212
https://www.japanarts.co.jp/