瑞々しいアジアの響きを、体感できる好機となりそうだ。日本の国際交流基金アジアセンターが支援を行ってきた、ベトナム・タイ・フィリピン・インドネシア・ミャンマーという5ヵ国の8オーケストラから選抜された、約80名の精鋭メンバーが来日。日本の奏者を交えて、「響きあうアジア2019交響楽団」を結成し、“炎のマエストロ”こと小林研一郎のタクトのもと、一夜限りのガラコンサートで渾身の調べを紡ぐ。
国際交流基金では、2014年から「ASEAN オーケストラ支援事業」を実施。日本から演奏家を派遣したり、楽団運営スタッフの研修を日本で行ったりするなど、東南アジアの音楽団体を支援してきた。今回の公演は、その集大成。ホーチミン市交響楽団、ベトナム国立交響楽団、王立バンコク交響楽団、フィリピン・フィルハーモニック管弦楽団、マニラ交響楽団、ジャカルタ・シティ・フィルハーモニック、ジャカルタ・シンフォニエッタ、ミャンマー国立交響楽団のメンバーが参加する。
ステージは、ヴェルディ《アイーダ》から「凱旋の行進曲」で幕開け。フリーアナウンサーの朝岡聡が案内役を務める。そして、国際的に活躍するヴァイオリニストの瀬﨑明日香をソリストに迎えて、サラサーテ「ツィゴイネルワイゼン」を披露。シベリウスの交響詩「フィンランディア」、小林の自作「パッサカリア」から〈夏祭り〉も。さらに、ベートーヴェン「エグモント」序曲、チャイコフスキーの大序曲「1812年」を演奏。煌めく名曲と熱演は、きっと、あなたの魂を揺らす。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2019年7月号より)
2019.7/1(月)19:00 東京芸術劇場 コンサートホール
問:日本オーケストラ連盟03-5610-7275
https://asia2019.jfac.jp/