“三昧サウンド”で聴くバッハの歴史的傑作
鍵盤楽器のための無数の作品の中でも、最高峰に位置づけられるバッハ「ゴルトベルク変奏曲」。既成概念にとらわれぬ柔軟な発想で、様々な作品を“再創造”してきたアンサンブル『音楽三昧』の手にかかると、果たして、いかなる変容を遂げるのか。
1984年に結成され、モダン楽器とチェンバロやトラヴェルソなどのピリオド楽器、両方を駆使し、バロックから近代に至る、管弦楽や鍵盤楽器のための様々な作品を編曲・演奏してきたアンサンブル『音楽三昧』。今回はついに、バッハの謎多き傑作に目を向けた。
1741年に出版され、冒頭と末尾で奏される「アリア」と30の変奏から成り、厳密な数学的秩序の上に構築されている「ゴルトベルク変奏曲」。今回は変奏ごとに、様々な組み合わせによるピリオド楽器で曲が進められる。
「作曲家に対する最大の賛美は、『一心不乱に遊ぶこと』によってのみ達成される」と編曲を担当する、チェロの田崎瑞博。ステージは、当曲のCDリリース記念だが、以前に録音を発表した「イタリア協奏曲」も併せて披露する。
文:寺西 肇
(ぶらあぼ2019年6月号より)
2019.6/2(日)14:30、6/5(水)19:00 近江楽堂(東京オペラシティ3F)
問:ビーフラット・ミュージックプロデュース03-6908-8977
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