世界的名手も輩出した、協奏曲をメインとしたコンクール
3年毎に開催される仙台国際音楽コンクールが今年で第7回を迎える。部門はピアノとヴァイオリンの2つ。両部門ともソリストとしての実力が最も試される「協奏曲」が課題曲の中心に据えられた、世界にも類を見ないコンクールであり、セミファイナル以降はコンクールのホストオーケストラである仙台フィルハーモニー管弦楽団との共演が課される。さらにヴァイオリン部門のセミファイナルではオーケストラとの共演による3曲の演奏のうち、2曲はソリストとしてではなく、オーケストラのコンサートマスターとして交響曲を演奏するという課題が今回から設けられており、この試みも大きな話題を呼びそうだ。
このコンクールはピアニストのユジャ・ワンやヴァディム・ホロデンコ、ヴァイオリニストのアリョーナ・バーエワや成田達輝ら、世界的アーティストを輩出した登竜門。そして、今回の審査員にはギドン・クレーメルやジャック・ルヴィエなど海外の一流演奏家が名を連ねており、第4回優勝者のホロデンコも審査員に加わる。ソリストとしてはもちろん、アンサンブル奏者としての実力も試されるコンクールであり、入賞者にはこれまでにないタイプのアーティストとしての活躍が期待される。
各部門の最終日には「入賞者記念ガラコンサート」が開催される他、全ラウンドが一般公開される。また、コンクール開催期間中には「学校訪問ミニ・コンサート」、市民ボランティアによる企画コンサートなど、関連の企画も多数展開され、様々な才能、音楽に浸ることができる一大イベントである点にも注目だ。
文:長井進之介
(ぶらあぼ2019年5月号より)
ピアノ部門 2019.5/25(土)〜6/9(日)
ヴァイオリン部門 6/15(土)〜6/30(日)
日立システムズホール仙台コンサートホール(仙台市青年文化センター)
問:仙台国際音楽コンクール事務局022-727-1872
※コンクールの詳細は下記ウェブサイトでご確認ください。
https://simc.jp/