昭和初期から続く、若き音楽家たちの楽壇デビューの場
若い音楽家たちに演奏機会を提供する貴重な場になっているのが、読売新聞社主催による新人演奏会である。1930(昭和5)年開始の本演奏会、今では全国30以上の音楽大学から約100人が参加する大きなイベントとなっている。かつてこの舞台を経験してきた若者には作曲家の團伊玖磨、ヴァイオリンの大谷康子、ソプラノの森麻季ら、その後大活躍する音楽家の名前も連なっており、その歴史と由緒が伝わってくる。しかも会場は、やはり長い歴史とすばらしい音響を誇る東京文化会館大ホール。経験を積むのにこの上ない場として、社会的な意義も大きい。
一方、聴き手にとっては、ゴールデンウィークの2日間3枠の長時間、実演にたっぷり浸れる場となる。国内の各学校で優秀な成績を収めて選抜された若手演奏家たちが次々に登場して、多彩な編成の楽曲を聴かせてくれるのである。慌てて移動することなく、出演者も楽曲もお任せで、若者たちの清々しい演奏を味わう──そんな贅沢なGWの過ごし方はいかがだろうか。
文:林 昌英
(ぶらあぼ2019年5月号より)
2019.5/4(土・祝)昼の部 11:00 夜の部 17:00
5/5(日・祝)11:00 東京文化会館
問:読売新聞東京本社文化事業部03-3216-8500
https://info.yomiuri.co.jp/event/music/