未来のために音楽で寄り添い、そして支える
「真の芸術にふれた感動は、人々に生きる力を与えてくれる」という信念のもと、東日本大震災以降に毎年チャリティコンサートを開催し、収益金の一部と会場で集めた募金を、被災した子どもたちなどの支援として寄付を続けているジャパン・アーツとその所属アーティストたち。今年も若手からベテランまで、人気演奏家が東京オペラシティのステージに集結する。
多彩な組合せで豪華な共演がいくつも繰り広げられるのも本公演の魅力だ。例えば前半では、昨年デビュー20周年を迎えてますます評価高まるヴァイオリニスト・米元響子と、若手チェリストの中でもとりわけ注目を集める才媛・上村文乃によるヘンデル/ハルヴォルセン「パッサカリア」。後半ではその二人に、2017年クララ・ハスキル国際ピアノ・コンクール優勝で一躍世界の注目を集めたピアニスト・藤田真央を加えてのピアソラ「ブエノスアイレスの春」をはじめ、「左手のピアニスト」舘野泉と仲道郁代によるパブロ・エスカンデの三手連弾曲、安藤赴美子(ソプラノ)と林美智子(メゾソプラノ)による《蝶々夫人》の明るい“花の二重唱”など。他にも千住真理子のヴァイオリンと丸山滋のピアノとで奏でる日本歌曲など楽しみは盛り沢山。また、数多の合唱コンクールで入賞を重ねている福島県立福島東高等学校合唱団も出演し、中島みゆきの名曲〈糸〉などを披露。同合唱団に西村悟(テノール)を加えた〈花は咲く〉も必聴だ。
文:東端哲也
(ぶらあぼ2019年3月号より)
東日本大震災 復興支援 チャリティコンサート
〜クラシック・エイドVol.9〜
2019.3/9(土)14:00 東京オペラシティ コンサートホール
問:ジャパン・アーツぴあ03-5774-3040
https://www.japanarts.co.jp/