シリーズ41年目は旬のバリトン歌手と「冬の旅」を
わが国の音楽シーンをリードしてきた名ピアニストが、多彩な共演者を招き、室内楽の名演を披露してきた「ミュージック・イン・スタイル 岩崎淑シリーズ」。昨年に40周年の節目を迎え、新たなスタートとなる今回は、韓国出身の名バリトン、キュウ・ウォン・ハンを迎えて、シューベルトの連作歌曲集「冬の旅」を披露する。
ソウル出身のハンは、米マンハッタン音楽院で修士号を取得し、サンフランシスコ歌劇場の《ドン・ジョヴァンニ》公演で、タイトルロールを演じて華々しくデビュー。兵庫県立芸術文化センター制作の《蝶々夫人》(佐渡裕・指揮)でシャープレス役を演じるなど、日本でも多くの舞台で活躍している。
今回は、岩崎の音色をパートナーとして、ミュラーの名詩に基づき、失恋した若者の絶望と孤独なさすらいを描いたシューベルトの「冬の旅」全24曲に対峙する。「キュウさんの声は、シューベルトに最もふさわしい」と絶賛する岩崎。「たぐいまれな名曲の一つひとつは、伴奏を弾くたびに涙がこぼれ、胸がいっぱいになります」と語る。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2018年11月号より)
2018.11/30(金)19:00 Hakuju Hall
問:プロアルテムジケ03-3943-6677
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