ピアノ界の重鎮が2大名作コンテルトに向き合う
日本の演奏史に残る、ステージとなるかもしれない。国際的に活躍する日本人ピアニストの先駆けであり、80歳を越えてなお、第一線を走り続ける瓜生幸子。盟友の秋山和慶の指揮による東京フィルハーモニー交響楽団をバックに、ベートーヴェン「皇帝」とサン=サーンス「エジプト風」、2つの“協奏曲第5番”を披露する。
名匠アラウの薫陶を受け、本場・欧州で活躍した瓜生。1986年のウィーンでのステージには、オーストリア大統領が臨席した。ウィーン国際ベートーヴェンコンクール審査オブザーバー、昭和音大教授を務めるなど、後進の育成にも力を注いできた。また、2015年の欧州デビュー50周年記念リサイタルでの好演も、感動を呼んだ。
幅広いレパートリーの中でも、特に独墺作品を得意とする瓜生。今回はまず、楽聖ベートーヴェンの創意に満ちた“名曲中の名曲”である「皇帝」へ対峙。そして、サン=サーンスの独創性あふれる名協奏曲「エジプト風」を弾く。さらに、秋山と東京フィルは幕開けに、モーツァルトの歌劇《ドン・ジョヴァンニ》序曲を添える。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2018年5月号より)
2018.5/12(土)14:00 紀尾井ホール
問:ミリオンコンサート協会03-3501-5638
http://www.millionconcert.co.jp/