ヴィオラ界の名匠たちと新しいスターの名技を聴く
1992年から続くヴィオラ音楽の祭典「ヴィオラスペース」。2009年からは「東京国際ヴィオラコンクール」が創設され、以後3年ごとに開催されている。今年は第4回となる同コンクール開催の年であり、世界中からヴィオラの俊英が上野学園 石橋メモリアルホールに集まり名技を競う。まず5月26日から5月31日まで、第1次・第2次審査と2回のワークショップが入場無料(要整理券)で一般公開される。出場者たちの全力の演奏を体験することでコンクールに“参加”できる貴重な機会だ。審査通過者による6月1日・2日の本選(有料)は「聴衆賞」の投票もあり、緊張感と見ごたえ十分のステージとなる。
また、会期中には審査委員らによる2回のガラ・コンサートも開かれる。心に残る小さい頃の経験と、一人ひとりの音楽とのつながりをテーマに据えて、1日目「子どもの情景」は子どもを主題とした作品を、2日目「わたしのお気に入り」は出演者たち自身の思い出の曲を集めた。今井信子、アントワン・タメスティをはじめとした内外のトップ・ヴィオリストたちに、ヴァイオリンのパメラ・フランクといった他楽器の名手たちが加わった豪華出演者が、古典派から現代までの多彩なヴィオラ作品をたっぷり聴かせてくれる。
そして、晴れやかな入賞記念コンサートが東京のほか、大阪、名古屋、仙台で開かれるのも、本コンクールの大きな特徴。入賞者たちと今井やタメスティらが出演し、コンクールのホットな空気感が各地で再現されるのだ。ヴィオラの新しいスターの誕生を見届けたい。
文:林 昌英
(ぶらあぼ2018年4月号より)
第4回東京国際ヴィオラコンクール 2018.5/26(土)〜6/3(日)
ガラ・コンサート 2018.5/31(木)、6/1(金)各日19:00
入賞記念コンサート 2018.6/3(日)15:00
上野学園 石橋メモリアルホール
問:テレビマンユニオン03-6418-8617
※大阪、名古屋、仙台公演の情報は下記ウェブサイトでご確認ください。
http://tivc.jp/