モーリス・ベジャール没後10年記念シリーズ公演が今秋より上演

 モーリス・ベジャール・バレエ団日本公演が11月17日より東京と兵庫で行われる。これに先立ち7月24日、同団(以下BBL)の芸術監督ジル・ロマンとダンサーの那須野圭右が登壇し、記者会見が行われた。
(2017.7/24 日経ホール Photo:J.Otsuka/Tokyo MDE)

ジル・ロマン(左)と那須野圭右

 今年は、『春の祭典』『ボレロ』など革新的なバレエ作品を数多く手がけた巨匠モーリス・ベジャール(1927〜2007)の死から10年、BBL初来日から50年、ジル・ロマンがBBL芸術監督に就任してから10年の節目を迎える。〈モーリス・ベジャール没後10年記念シリーズ〉と題して、11月17日からBBL日本公演でAプロ『魔笛』、Bプロ『ボレロ』『ピアフ』『アニマ・ブルース』『兄弟』が上演される他、11月22日のベジャールの命日にあわせてBBL&東京バレエ団特別合同ガラ〈ベジャール・セレブレーション〉(11月22日、23日 東京文化会館)、12月には東京バレエ団がべジャールの『くるみ割り人形』(12月16日、17日 東京文化会館)を上演する。

 公演以外にも、WOWOWではベジャール特集の放送、12月末には2014年に上演されたBBL&東京バレエ団『第九交響曲』(ズービン・メータ指揮、イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団)のメイキング映像が劇場公開される予定もあり、今後もベジャールを再認識する企画が計画されている。

ジル・ロマン

 「19歳の時から多くの時間を一緒に過ごしてきた。彼の作品を稽古する際、いつもモーリスが一緒にいるような感覚で仕事をしている」と語るジル・ロマン。一方、1997年からモーリス・ベジャールのバレエ学校ルードラ・ベジャールに学び、2000年にBBLに入団した那須野にとってベジャールとは、「一言で表現するならば、“おじいちゃん”という感じ。16歳の時に初めて出会ってから、直接指導されることは少なかったため、ベジャールさんのバレエはジル・ロマンから教わってきた。ベジャールさんはバレエ団のダンサーや学校の生徒たちのことを“家族”と呼んでいたので、私もその一員」と思い出を語る。

 今回の日本滞在期間中、東京バレエ団との特別合同ガラ公演、第2部〈ベジャール・セレブレーション〉に向けて、ジル・ロマンと那須野による振付指導も行われたという。 
 合同ガラ公演についてジル・ロマンは、「モーリス自身も東京バレエ団を愛し、私たちにとっても友人、没後10年記念公演を日本で行う上で、東京バレエ団とコラボレーションすることは不可欠であり重要なことです。〈ベジャール・セレブレーション〉はすでにローザンヌで上演していますが、今回東京バレエ団が参加することで、新しい作品が追加される可能性があります」と語った。 
 那須野は振付指導する上で心がけていることとして、「ベジャール作品の動きは一つひとつに意味があると感じています。日本語に直訳しても伝わらないフランス語のニュアンスを、ベジャールやジルから20年間学んできた経験をもとに、できる限りわかりやすい日本語で指導しています」と述べた。

那須野圭右

 BBL来日公演にむけて公演にかける想いを次のように語った。
「モーリスが私たちのもとを去ってからも、日本の皆さまが支えてくださっていることは大きな力。この秋のツアーで進化した私たちのバレエ団をぜひ観にきてください」(ジル・ロマン)
「ベジャールさんが亡くなって10年の節目の年に来日公演ができ、また日本人として日本で踊れることはとても光栄。そして個人的なことですが、今回の来日公演が恐らく最後の舞台になると思います。ぜひ皆さん観に来てください」(那須野)

ジル・ロマン

ジル・ロマン(左)と那須野圭右

モーリス・ベジャール没後10年記念シリーズ
モーリス・ベジャール・バレエ団来日50周年記念

モーリス・ベジャール・バレエ団 2017年日本公演
Aプロ『魔笛』

11/17(金)18:30、11/18(土)14:00、11/19(日)14:00 東京文化会館
11/28(火)19:00 兵庫県立芸術文化センター

Bプロ『ボレロ』『ピアフ』『アニマ・ブルース』『兄弟』
11/25(土)13:30 18:00、11/26(日)14:00 東京文化会館
11/29(水)19:00 兵庫県立芸術文化センター

モーリス・ベジャール・バレエ団 & 東京バレエ団 特別合同ガラ
〈ベジャール・セレブレーション〉

11/22(水)19:00、11/23(木・祝)14:00 東京文化会館
8/26(土)発売

東京バレエ団 ベジャールの『くるみ割り人形』全2幕
12/16(土)、12/17(日)各日14:00 東京文化会館
9/2(土)発売

問:NBSチケットセンター03-3791-8888(東京公演) http://www.nbs.or.jp/
  芸術文化センターチケットオフィス0798-68-0255(兵庫公演) http://www.gcenter-hyogo.jp/