“Wタカシ”の熱演、ふたたび!
「衝撃のデュオ」とはまさに、である。ピアノ音楽ファンなら「そうか、この二人は同い年で同名だったのか!」とあらためて気付き、ときめくことだろう。
1983年生まれの山本貴志と佐藤卓史。山本は2005年のショパン国際ピアノコンクールで第4位となって一躍注目を浴び、ワルシャワ在住の現在も国内外のオーケストラとの共演を重ねて活動の幅を広げている。佐藤は07年シューベルト国際コンクールで優勝し、「シューベルト・ツィクルス」をはじめとする精力的なコンサート活動を展開し、レコーディングも盛んに行っている。
そんな“Wタカシ”が今年、彩の国さいたま芸術劇場で久しぶりにデュオ・リサイタルを行う。初めて共演したのは08年にさかのぼる。10年にも横浜や西宮でデュオ・リサイタルを開催して大反響を呼び、13年には大阪交響楽団と共演して話題となった。
今年で34歳となる二人。トップクラスのピアニストの彼らが「若手」から「中堅」へと、実力も評価も移り行く大切な時期を迎える今、伸びやかに、ぶつかり合い、掛け合いながら再びアンサンブルする。これは楽しみだ!
モーツァルトの2台ピアノのためのソナタから華やかに幕開ける。彼らのマニアック(?)で知的な側面を反映してか、グレツキの連弾作品やルトスワフスキの2台用の変奏曲も飛び出す。チャイコフスキーの「くるみ割り人形」(エコノム編)で締める一夜は、文句なしに楽しい雰囲気となりそうだ。
文:飯田有抄
(ぶらあぼ 2017年5月号から)
7/4(火)19:00 彩の国さいたま芸術劇場 音楽ホール
問:W・Takashi実行委員会080-5050-8451
http://duotakashi.wixsite.com/20170704