ウィーン=ベルリン・ブラス・クインテット

垣根を越えた最高峰のドリーム・ブラス


 ブラス・アンサンブルは金管楽器愛好家だけのものではない! 強くそう思わせるのが、ウィーン=ベルリン・ブラス・クインテットだ。“ウィーン&ベルリン・フィルのトップ奏者の夢のコラボ”だけでも興味津々だが、強靭なベルリン・フィル3名が高音と低音、柔らかなウィーン・フィル2名が中音を受け持つ布陣がまた絶妙。中でもベルリン・フィルの首席トランペット奏者ガボール・タルケヴィの鮮烈な妙技は、必聴・必見だ。
 2012年と13年の来日公演は、まさに“圧巻”の一語。まずは前記の融合が効果を発揮し、輝かしくもマイルドな響きが創出される。ソロでは各々が個性を表に出し、総奏になると完全に一体化する点も見事。そして何より、豊かな表情と生気を湛えた“聴かせる”音楽に会場中が酔いしれた。今回はより熟成された名演必至だし、五重奏の定番曲、最新曲、クラシックの名曲に、お約束の「クリスマス・メドレー」が続く多彩なプログラムも魅力充分。ドリーム・サウンドとハイクラスの音楽を、広い層のファンに味わって欲しい。
文:柴田克彦
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年12月号から)

12/17(木)19:00 文京シビックホール
問:シビックチケット03-5803-1111
※全国公演の詳細は下記ウェブサイトでご確認ください。
http://www.proarte.co.jp