スタニスラフ・ブーニンが映画公開初日、舞台挨拶に登壇!

映画『ブーニン 天才ピアニストの沈黙と再生』が全国公開

左より:スタニスラフ・ブーニン、中嶋梓(監督)、小堺正記(総合プロデューサー)

 ピアニストのスタニスラフ・ブーニンの半生を追ったドキュメンタリー映画『ブーニン 天才ピアニストの沈黙と再生』が2月20日に公開初日を迎え、都内で舞台挨拶が行われた。会場にはブーニンと中嶋梓監督、小堺正記総合プロデューサーが登壇した。

 1966年モスクワ生まれ。1985年、19歳でショパン国際ピアノコンクールに優勝し世界的な注目を集める。特に日本では高い人気を誇り、“ブーニン・ブーム”と呼ばれる社会現象を巻き起こした。1988年に西ドイツへ亡命した後も演奏活動を続けた。しかし2013年、左手の麻痺などにより演奏活動を中断。長い闘病生活と左足の一部切除という大手術を乗り越え、2022年6月、八ヶ岳高原音楽堂でのリサイタルで復帰を果たす。
 本作は、復活までの歩みと葛藤、さらに昨年12月のサントリーホール公演の模様を通して、音楽と真摯に向き合い続ける現在の姿を描いている。

 大きな拍手に迎えられ登壇したブーニンは、客席をゆっくりと見渡しながら感謝を述べた。
「今日はこんなに大勢の方にいらしていただいて心より感謝申し上げます。こんなに大きなスクリーンで自分自身を見るのは人生で初めてのことで、なかなか興味深い体験です。
 映画化の話を最初に聞いたときはとても驚き、思わず笑ってしまいました。しかし、スタッフの皆さんが真剣に向き合っていることが伝わり、映画作りに参加することを決めました」

 作中でショパンを「最も素晴らしい亡命者」と表現しているブーニン。ショパンと同じく若くして祖国を離れた経験を持つブーニンは、その意味を問われると静かに語った。
「ショパンは単に祖国を離れたという意味での亡命者ではありません。彼は広い世界へと出ていった。その意味で亡命という道を選んだ人なのです。彼の目的は、世界をより高尚なものにすることだったと思います。私もその後を追いたい。音楽の美によって世界をより高尚なものにできるのか——そのことを皆さんと共に真剣に考えたいのです。ショパンはそれを成し遂げた人であり、私はそれに続きたいと思っています」

 ブーニンは本作の音楽監修も務めた。劇中ではショパンに加え、バッハの作品も重要な位置を占めている。
「映画で取り上げられている演奏は、私のアーカイブの中でも特に優れていると感じているものです。皆さんにもそのように受け取っていただけたなら、これ以上の喜びはありません。バッハ『プレリュードとフーガ』(平均律クラヴィーア曲集第1巻より第22番)は、私自身の人生を象徴する作品です。最後に流れるコラール『主よ、人の望みの喜びよ』は、リサイタルの終わりに演奏する曲でもあります。喜びと祈りを込めた、未来への希望を託した作品です。人生のさまざまな瞬間や大きな流れを描き出してくれるのが、バッハの音楽だと思っています」

 最後に本作の意義について問われると、力強く締めくくった。
「作品としてドラマティックな仕立てになっていますが、もし意義があるとすれば、人生においてどんなことがあっても自分の道を見失わないことだと思います。その道を見失えば、自分自身をも見失ってしまう。自分に示された道、あるいは自分が決めた道から決して外れないこと。それが大切だと思っています」

取材・文・写真:編集部

映画『ブーニン 天才ピアニストの沈黙と再生』
全国公開中


出演
スタニスラフ・ブーニン
中島ブーニン榮子
小山実稚恵、ジャン=マルク・ルイサダ、桑原志織、反田恭平、亀井聖矢

監督:中嶋梓 総合プロデューサー:小堺正記
製作:宮田興 遠藤徹哉 共同プロデューサー:吉田宏徳 苗代憲一郎 服部紗織 山田駿平 
撮影:宮崎剛 編集:髙木健史 音楽監修:スタニスラフ・ブーニン 音楽録音:深田晃 音響効果:三澤恵美子 公演収録:メディア・フォレスト
製作:NHKエンタープライズ/KADOKAWA 制作:NHKエンタープライズ 映像提供:NHK 特別協力:日本アーティスト サントリーホール
協賛:藤野英人 ダイキン工業 伊藤忠商事 岩谷産業 阪急電鉄 三井住友銀行 村上財団 サントリー 大和ハウス工業
Ⓒ2026「ブーニン 天才ピアニストの沈黙と再生」製作委員会
配給:KADOKAWA

公式X:@movie_bunin
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