プロハスカ × アントニーニ &イル・ジャルディーノ・アルモニコが、伝説の女王ふたりの肖像を歌い描く

左:ジョヴァンニ・アントニーニ ©Marco Borggreve
右:アンナ・プロハスカ ©Marco Borggreve

 コンサートのプログラムもその演奏も月並みなものは一つもなく、つねに聴き手を啓発し続けているジョヴァンニ・アントニーニが、今年もイル・ジャルディーノ・アルモニコと来日して4月にTOPPANホールでコンサートを行う。今回は、バロックから現代まで幅広いレパートリーを持ち、コロラトゥーラタイプのソプラノとして高い評価を得ているソプラノ、アンナ・プロハスカとの共演で、ディドとクレオパトラという古代の二人の女王を題材にしたバロック期のオペラからのアリア他を聴かせてくれる。

イル・ジャルディーノ・アルモニコ ©Alberto Panzani

 カルタゴのディドは古代ローマ帝国時代の詩人ウェルギリウスの作中人物、エジプトのクレオパトラは歴史上の実在人物と違いはあるが、前者は悲恋から炎に身を投じ、後者は戦いに敗れて蛇の毒で自死、ともに悲劇のヒロインとして、とりわけバロック期の詩人や音楽家たちに愛され、いくつもの歌劇が生まれた。パーセルの《ディドとエネアス》、ヘンデルの《エジプトのジュリオ・チェーザレ》がとくに有名だが、今回歌われるグラウプナーやハッセ、17世紀ヴェネツィアの作曲家サルトリオらの歌劇のディドやクレオパトラもそれぞれ個性的で魅力的だ。

 耳寄りの話をもう一つ。アントニーニがサンマルティーニのリコーダー協奏曲ヘ長調を吹くという。気魄と情熱のソプラノ、プロハスカと奇才アントニーニ&イル・ジャルディーノ・アルモニコが歌い奏でる古代の女王たちの物語。間違いなくこの春一番の注目のコンサートだ。

文:那須田 務

(ぶらあぼ2026年3月号より)

アンナ・プロハスカ(ソプラノ) with ジョヴァンニ・アントニーニ(指揮/リコーダー) イル・ジャルディーノ・アルモニコ
2026.4/4(土)18:00 TOPPANホール
問:TOPPANホールチケットセンター03-5840-2222 
https://www.toppanhall.com