
右:小川栞奈
東京文化会館が実施する東京音楽コンクールの入賞者たちが出演するシリーズが「上野 de クラシック」。勢いのある若手演奏家たちが次々と登場して評判を呼んでいる。
3月4日のVol.117に出演するのは、2023年に開催された第21回東京音楽コンクール木管部門で第2位を獲得したファゴット奏者の河野星。東京藝術大学音楽学部に学び、23年、在学中に東京フィルに入団し、首席ファゴット奏者を務める逸材である。ベルワルドの演奏会用小品 op.2やグロヴレーズの「シシリエンヌとアレグロ・ジョコーソ」他を演奏する。ファゴットのリサイタルを聴く機会は貴重。この楽器の多面的な魅力を味わう好機となるだろう。
4月22日のVol.118では、2024年、第22回の声楽部門で第1位および聴衆賞を獲得したソプラノの小川栞奈が登場する。小川は東京藝術大学卒業、同大学院オペラ専攻修士課程修了。今年の「NHKニューイヤーオペラコンサート」に初出演を果たすなど、急速に活躍の場を広げつつある。モーツァルトの《ドン・ジョヴァンニ》より〈おっしゃらないで、愛しい人よ〉、トマの《ハムレット》より〈私も遊びの仲間にいれてください〉他を歌う。華麗な声の技巧を期待できそうだ。
なお、大規模改修工事による休館期間に入るため、東京文化会館小ホールでの「上野 de クラシック」はこれでしばらく聴き納め。6月以降は旧東京音楽学校奏楽堂に舞台を移す。
文:飯尾洋一
(ぶらあぼ2026年3月号より)
上野 de クラシック Vol.117 河野 星(ファゴット) & Vol.118 小川栞奈(ソプラノ)
【Vol.117】2026.3/4(水)11:00
【Vol.118】4/22(水)11:00
東京文化会館(小)
問:東京文化会館チケットサービス03-5685-0650
https://www.t-bunka.jp

飯尾洋一 Yoichi Iio
音楽ジャーナリスト。著書に『クラシックBOOK この一冊で読んで聴いて10倍楽しめる!』新装版(三笠書房)、『クラシック音楽のトリセツ』(SB新書)、『マンガで教養 やさしいクラシック』監修(朝日新聞出版)他。音楽誌やプログラムノートに寄稿するほか、テレビ朝日「題名のない音楽会」音楽アドバイザーなど、放送の分野でも活動する。ブログ発信中 https://www.classicajapan.com/wn/

