東京フィル「午後のコンサート。」の2026/27シーズンのラインナップが発表された。同公演は名指揮者たちのトークとともに親しみやすい名曲を楽しむ人気企画。午後2時開演で、「午後コン」の愛称で長年にわたって親しまれている。Bunkamuraオーチャードホールで開催される「渋谷の午後のコンサート」、東京オペラシティで開催される「平日の〜」と「休日の〜」の3つにわかれており、各シリーズともに4公演が開かれる。今年も豪華出演者陣がそろった。

「渋谷の午後のコンサート」のラインナップは強力だ。開幕を飾る4月には小林研一郎が登場。「炎のマエストロ」として知られる名匠が「コバケンの思い出」と題したプログラムで、ブラームスのハンガリー舞曲集の名曲とドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」を披露する。マエストロの味わい深いトークも人気の秘密。永井美奈子がナビゲーターを務める。
続く7月は横山奏の指揮で「旅する北欧」。シベリウスの交響詩「フィンランディア」とヴァイオリン協奏曲より第1楽章(ソリスト:吉本梨乃)、グリーグの「ペール・ギュント」抜粋が演奏される。ゲストは俳優の石丸謙二郎。横山とはともに山好きの間柄だ。

9月はベテラン、円光寺雅彦が登場する。夫人で日本を代表するチェリスト、山崎伸子とともに「チェロ弾きの休日」と題して、チャイコフスキーの「ロココの主題による変奏曲」やドヴォルザークの交響曲第8番をとりあげる。マエストロの巧みなトークも魅力。
12月はジャズ作曲家として国際的に活躍する挾間美帆が招かれる。「ジャズに魅せられて」と題し、デューク・エリントン編のチャイコフスキー「くるみ割り人形」やマイルス・デイヴィス(ギル・エヴァンス編)の名演で知られる《ポーギーとベス》からの楽曲を、挾間自身によるオーケストレーションで演奏する。ジャズ・トランペット奏者の黒田卓也も出演。フレッシュな「午後コン」になりそうだ。
今年は東京オペラシティが6月まで休館のため、同館開催の「平日の午後のコンサート」は8月から、「休日の午後のコンサート」は9月からスタートする。「平日」は小林研一郎&金子三勇士、角田鋼亮&服部百音、挾間&黒田、出口大地&花房晴美、「休日」は三ツ橋敬子、角田&服部、円光寺雅彦&清塚信也、ケンショウ・ワタナベ&鳥羽咲音が登場する。こちらも充実した出演者陣がそろった。
文:飯尾洋一
(ぶらあぼ2026年2月号より)
東京フィルハーモニー交響楽団「午後のコンサート。」2026-27シーズン
渋谷の午後のコンサート
【第29回】2026.4/19(日)
【第30回】7/5(日)
【第31回】9/13(日)
【第32回】12/6(日)
各日14:00 Bunkamuraオーチャードホール 4回セット券 2/25(水)発売
問:東京フィルチケットサービス03-5353-9522
https://www.tpo.or.jp
※2026-27シーズン、発売日などの詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。

飯尾洋一 Yoichi Iio
音楽ジャーナリスト。著書に『クラシックBOOK この一冊で読んで聴いて10倍楽しめる!』新装版(三笠書房)、『クラシック音楽のトリセツ』(SB新書)、『マンガで教養 やさしいクラシック』監修(朝日新聞出版)他。音楽誌やプログラムノートに寄稿するほか、テレビ朝日「題名のない音楽会」音楽アドバイザーなど、放送の分野でも活動する。ブログ発信中 https://www.classicajapan.com/wn/

