
スロヴァキア・フィルハーモニー管弦楽団は、1949年、首都ブラティスラヴァに創設された。ブラティスラヴァは、ウィーンから約60キロしか離れていない、ドナウ川に面した街であり、文化的にもウィーンの影響を受けている。モーツァルトもベートーヴェンもブラティスラヴァを訪れたことがある。スロヴァキア・フィルは、そんな街の1773年に創建されたコンサートホール「レドゥタ」を本拠地とし、同国を代表するオーケストラとして、スロヴァークやレナルトらの名指揮者に率いられてきた。2018年、23年に続いて、26年6、7月にスロヴァキア・フィルを率いて来日するダニエル・ライスキンは、20年から25年まで同楽団の首席指揮者を務め、現在は常任客演指揮者のポストにある。また、彼は、ウィニペグ交響楽団音楽監督とヤナーチェク・フィル首席指揮者・音楽監督(正式な就任は2026/27シーズンより)を兼務している。

右:アレクセイ・ゴルラッチ ©Monika Lawrenz
今回の日本ツアーでは、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番「皇帝」、ブラームスの交響曲第1番、ドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」、チャイコフスキーの交響曲第5番などが演奏される。ライン州立フィルとブラームス交響曲全集の録音を残しているライスキンにとって、ブラームスの第1番は十八番のレパートリーといえるだろう。ウクライナ生まれで、2006年の浜松国際ピアノコンクールや11年のミュンヘン国際音楽コンクールで第1位入賞のアレクセイ・ゴルラッチが弾く「皇帝」も楽しみだ。スロヴァキア・フィルが彼らの真価を聴かせてくれるに違いない。
文:山田治生
(ぶらあぼ2026年1月号より)
スロヴァキア・フィルハーモニー管弦楽団 日本公演 2026
2026.7/7(火)19:00 サントリーホール
問:コンサートイマジン03-3235-3777
http://www.concert.co.jp
※日本ツアーの詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。

山田治生 Haruo Yamada
音楽評論家。1964年、京都市生まれ。1987年慶應義塾大学経済学部卒業。雑誌や演奏会のプログラム冊子に寄稿。著書に「トスカニーニ」、小澤征爾の評伝である「音楽の旅人」、「いまどきのクラシック音楽の愉しみ方 」、編著書に「戦後のオペラ」、「バロック・オペラ」、「オペラガイド」、訳書に「レナード・バーンスタイン ザ・ラスト・ロング・インタビュー」などがある。

