芸劇アカデミーが拓く次世代の響き──
福川伸陽ら講師陣と14名の若き奏者たちの定期公演

左より:福川伸陽/斎藤和志/長 哲也 ©平舘 平/中木健二 ©塩澤秀樹

 芸劇オーケストラ・アカデミー・フォー・ウインド(GOA)は、東京芸術劇場が若き管打楽器奏者を対象に2014年から開講しているアカデミープログラム。プロの音楽家として社会で生きていくためには、演奏だけでなくセルフプロデュース力が必須という前提にもとづき、「レッスン」「キャリアアップゼミ」「コンサート」という3つの柱を軸に、3年間のカリキュラムを展開している。

 ミュージック・アドヴァイザーの福川伸陽(ホルン)をはじめ、第一線で活躍する管打楽器奏者の講師陣によるレッスンはもちろんのこと、声楽家や弦楽器奏者の講師によるレッスンや、オーケストラの現場での知見を交えたオーケストラ・スタディなど、アカデミー生は自分の専攻楽器を超えてより広い視野で音楽を学ぶことができる。また、広報の仕方からプログラムノートの作り方、確定申告の方法まで、具体的な「How To」を学ぶキャリアアップゼミもユニークだ。

 そんな総合的な学びの成果発表の場としてのコンサートが、今回から会場をコンサートホール(大ホール)に移して、「ライジングスターズ・コンサート」として新たにスタートする。斎藤和志(フルート)、アレッサンドロ・ベヴェラリ(クラリネット)、長哲也(ファゴット)、佐藤友紀(トランペット)、青木昂(トロンボーン)、中木健二(チェロ)の錚々たる顔ぶれの講師陣とアカデミー生によるアンサンブルのほか、坂入健司郎を指揮に迎えたワーグナー「ジークフリート牧歌」も楽しみだ。

文:原 典子

(ぶらあぼ2026年1月号より)

芸劇オーケストラ・アカデミー・フォー・ウインド(GOA)
第1回 ライジングスターズ・コンサート
2026.1/16(金)14:00 東京芸術劇場 コンサートホール
問:東京芸術劇場ボックスオフィス0570-010-296 

https://www.geigeki.jp