
右:山中惇史 ©Takafumi Ueno
デビュー10周年の上野耕平が、信頼するピアノの山中惇史とともに、さらにサクソフォン四重奏のThe Rev Saxophone Quartetも引き連れての豪華コンサート。10周年といっても正式デビュー前からすでに活動歴があるので、本人曰く「やんわり10周年」。最大の聴きものは、Revによるサクソフォン18本の「動物の謝肉祭」だ。4人がそれぞれSATBを持ち替えたうえに、ソプラニーノとバスも使用する。18本! しかも同族6種類がステージ上にずらり勢揃いする景色にはなかなかお目にかかれまい。たとえば〈象〉はバリトン3+バスという低音四重奏。そんなこと誰もやってない。「ラプソディ・イン・ブルー」も聴き逃せない。そこに山中惇史がいるのに、あえてピアノなしのサクソフォン四重奏なのだ。鉄道を愛する上野にとっては会場のせたがやイーグレットホールが世田谷線沿線というのもプラスポイント。
「小さな車輪の可愛らしい世田谷線でトコトコ来て、より豊かな時間を過ごしてください!」(上野)
文:宮本 明
(ぶらあぼ2025年9月号より)

上野耕平 サクソフォン・ワールド
2025.10/18(土)15:00 せたがやイーグレットホール(世田谷区民会館)
問:せたがや文化財団 音楽事業部03-5432-1535
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