トロンボーンの魅力を再発見
こんなにも温かな音色で、饒舌な楽器だったとは。トロンボーンに対するイメージを、覆すステージとなるだろう。スロベニア出身で、わずか1年でパリ国立コンセルヴァトワールを首席卒業、数々のコンクールを制する一方、バイエルン放送響をはじめ一流楽団でソロ奏者を務めるなど、世界的な名手として知られるブラニミール・スローカー。そして、ベルン芸大でスローカーの薫陶を受け、リンツ・ブルックナー管を経て、現在は南西ドイツ放送響の首席奏者を務める清水真弓。そんな2人の名手による、注目のジョイント・リサイタルが実現する。宝塚と東京公演は、17世紀イタリアのペトロニオ・フランチェスキーニのソナタから、スイス出身の現代作曲家ジャン=フランソワ・ミシェルの「ジャン・タンゲリーへのオマージュ」、イギリスのトロンボーン奏者ジョン・グレネスク・モーティマーによる協奏曲まで、この楽器の長い歴史を投影したプログラム。杉田劇場と大洗町文化センター公演では、メンデルスゾーン「無言歌集」(抜粋)やベートーヴェンの三重奏曲第4番など、編曲ものを披露。師弟ならではの阿吽の呼吸も加味し、美しいハーモニーで、聴衆の耳を虜にする。
文:笹田和人
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年5月号から)
6/11(木)19:00 宝塚ベガ・ホール
6/12(金)19:00 日本福音ルーテル東京教会
6/19(金)19:00 杉田劇場
6/21(日)15:00 大洗町文化センター
問:プロアルテムジケ03-3943-6677
http://www.proarte.co.jp