エマニュエル・パユがKOBE国際音楽祭2025の記者懇談会に出席——オープニング・コンサートでアンドレアス・オッテンザマー(指揮)神戸市室内管と共演

 神戸を舞台に4年に1度行われるフルートの世界的登竜門「神戸国際フルートコンクール」の第11回大会にあわせ、「KOBE国際音楽祭」が初めて開催される。期間は7月12日から9月14日まで。神戸文化ホールなど市内の音楽ホールのほか、博物館、神戸空港など50以上の会場で、約100公演が予定されている。
 ベルリン・フィルの首席フルート奏者エマニュエル・パユや日本フルート界の重鎮・工藤重典、第11回神戸国際フルートコンクールの審査員を務める国内外の一流演奏家など、この楽器の世界的名手たちに加え、神戸市室内管弦楽団や混声合唱団をはじめとする地元の演奏団体・アーティストも登場する。

 3月12日、開幕に先駆けて大阪市内で記者懇談会が行われ、オープニング・コンサートのソリストを務めるエマニュエル・パユが出席した。
 ベルリン・フィル入団前の1989年、第2回神戸国際フルートコンクールで第1位を獲得したパユ。今や人気・実力ともに世界トップのフルーティストの一人である彼にとって、このタイトルは自身のキャリアにおける第一歩だったという。
「このコンクールは、『ミュンヘン』や『ジュネーヴ』と肩を並べる素晴らしい大会です。今回の音楽祭には歴代の入賞者たちも招きますので、優れた演奏家を輩出したコンクールであることを皆さんに知っていただけると思います」

 パユは、オープニング・コンサートで神戸市室内管とともにイベールの協奏曲、モーツァルトのアンダンテ ハ長調 K.315、ロンド ハ長調 K.373(フルート版)を演奏する。この公演には、出演者や曲目の選定において彼のアイディアが取り入れられているそうで、指揮者には元ベルリン・フィル首席クラリネット奏者のアンドレアス・オッテンザマーを迎える。
「ベルリン・フィルで同僚だったオッテンザマーは、ネーメ・ヤルヴィやリッカルド・ムーティら巨匠たちの薫陶を受け、指揮者として素晴らしい成長を遂げています。管楽器出身ということもあり、彼とは指揮者とソリストという関係になっても互いに理解しあえると思いますし、信頼して演奏できます。彼の素晴らしい才能を皆さんに聴いてもらいたいです。
 神戸市室内管(旧:神戸市室内合奏団)はコンクールの本選で歴代の入賞者たちの伴奏を務めてきました。私もかつて共演し、素晴らしい思い出の一つとなっています」

 音楽祭ではオープニング・コンサート以外にも、コンクール審査員によるスペシャルナイト・ガラ(9/5)、工藤重典と日本クラシックギターのパイオニア・荘村清志のデュオリサイタル(7/17)、たかまつ国際古楽祭の芸術監督など多岐にわたる活躍で注目を集めるフラウト・トラヴェルソの柴田俊幸と鍵盤楽器の鬼才アンソニー・ロマニウクによる酒蔵コンサート「発酵する古楽」(8/23)など、フルートにまつわる演奏会が充実。他にも神戸市出身のソプラノ・鈴木美登里率いる声楽アンサンブル、ラ・フォンテヴェルデによる17世紀イタリアの音楽風刺劇《オスペダーレ》の上演(7/26)など地元ゆかりのアーティストによる演奏会、プロアマ問わず500人規模のフルーティストが集うアンサンブル(8/31)、森山未來が出演するダンス公演(7/5)や、子ども向けのコンサートも行われる。

写真提供:神戸市民文化振興財団
文:編集部

KOBE国際音楽祭2025 3/21(金)発売
2025.7/12(土)~9/14(日) 神戸文化ホール、西神中央ホール、神戸朝日ホール、神戸新聞松方ホール、神戸酒心館ホール 他
問:神戸市民文化振興財団事業部 フルートコンクール事業課078-361-7930
https://www.kobe-bunka.jp/ongakusai/