2024/25シーズンに結成30年を迎えたクァルテット・エクセルシオ。もはや常設の弦楽四重奏団としてこのジャンルをリードする「老舗」に数えても差し支えあるまい。国内外で数多くの受賞歴を持ちながら、2016年には弦楽四重奏曲の金字塔とでも称すべきベートーヴェンの全曲演奏、21年には全曲録音を日本人による弦楽四重奏団では初めて成し遂げている。
そんな彼らのアニバーサリーイヤーの最後を飾るのは、モーツァルトの「ハイドン・セット」弦楽四重奏曲。彼らの現在地を見極めるのに、この6曲ほど魅力的な曲集もあるまい。ハイドンの「全く違う特別な方法で」書かれた「ロシア四重奏曲」に刺激を受け、「長く辛い労苦」の末に同曲集を生み出したモーツァルト。ハイドンの影響のみならず、「バッハ・ヘンデル体験」で接した対位法音楽、そして何よりモーツァルトの個人様式。同演奏会は、すべてを集中的に体験できる数少ない機会となろう。
文:大津 聡
(ぶらあぼ2025年2月号より)
クァルテット・エクセルシオ モーツァルト「ハイドン・セット」CD発売記念コンサート
【第1回】2025.1/31(金)19:00
【第2回】2025.2/20(木)19:00
J:COM浦安音楽ホール コンサートホール
問:ミリオンコンサート協会03-3501-5638
https://quartet-excelsior.wixsite.com