日本を代表するソプラノ森麻季&古楽オーケストラ「イル・ポモドーロ」がフィリアホールのニューイヤーコンサートに登場

左より:森麻季 ©Yuji Hori/イル・ポモドーロ

気鋭の鍵盤奏者フランチェスコ・コルティ率いる精鋭集団が初来日

 イタリアの古楽器オーケストラ「イル・ポモドーロ」が新春に初来日。フィリアホールで魅力的なバロック・プログラムを聴かせてくれる。この団体は2012年設立で、17世紀イタリアの作曲家アントニオ・チェスティの大人気オペラ《イル・ポモドーロ(黄金のリンゴ)》にちなんで命名された。

 それはつまりオペラと縁が深いことを意味しており、彼らは器楽演奏のみならず、一流歌手とのバロック・オペラや声楽での共演により高い評価と人気を得ているオーケストラなのだ。ヘンデルのオペラでも既に多数の録音があり、その水際立った演奏は、現在欧州のバロック演奏最前線に位置する注目のサウンド。指揮とチェンバロのフランチェスコ・コルティは、かつて古楽コンクールの最高峰ブルージュでチェンバロ部門最高位に輝いた経歴の持ち主で、今回もバッハの協奏曲のソロで妙技を披露するのが楽しみだ。

 加えて人気ソプラノ森麻季が共演し、その華麗なる歌声でヘンデルのカンタータとオペラを歌ってくれるのが嬉しい。2023年にバッハ・コレギウム・ジャパンとのヘンデル《ジュリオ・チェーザレ》でクレオパトラを演じた彼女の艶やかな姿と秀逸な歌唱は実に鮮烈だった。その中から、しみじみと情感あふれる〈この胸に息のある限り〉と技巧的な〈難破した船が嵐から〉の名アリア2曲を披露してくれるとなれば、聴き逃すわけにはいかない!

 女神・森麻季とイル・ポモドーロの生み出す至福の響きが待ち遠しい。

文:朝岡聡

フィリアホール ニューイヤー・コンサート 
森麻季&イル・ポモドーロ with フランチェスコ・コルティ
(ニューイヤー・ガラ2025 Part2)

2025.1/18(土)14:00 フィリアホール


出演
森麻季(ソプラノ)
フランチェスコ・コルティ(指揮、チェンバロ)
イル・ポモドーロ(古楽オーケストラ)
 ヴァイオリン:エフゲニー・スヴィリドフ、アンナ・ドミトリエワ
 ヴィオラ:ジューリオ・ダレッシオ
 チェロ:クリスティーナ・ヴィドーニ
 コントラバス:リッカルド・コエラーティ

プログラム
J.S.バッハ:チェンバロ協奏曲 ニ短調 BWV1052
ヘンデル:トリオ・ソナタ ト長調 HWV399、カンタータ「静かな穏やかな夜」HWV142
ヴィヴァルディ:弦楽器のための協奏曲 ト短調 RV156
ヘンデル:歌劇《ジュリオ・チェーザレ》より〈この胸に息のある限り〉〈難破した船が嵐から〉

問:フィリアホールチケットセンター045-982-9999
https://www.philiahall.com